進むキャッシュレス決済 便利の裏に潜む難点とは…

「支払いはPayPayで!」

コンビニで買い物する時も、アルバイト先で接客する時も。ここ数年で口に出すことも、耳にすることも圧倒的に増えた言葉ではないでしょうか。スマホ一台あれば、簡単に支払いができてしまうという、「便利」という言葉だけでは表しきれないほど便利なキャッシュレス決済。硬貨や紙幣のやりとりが減るため、会計の時間の短縮にもなります。

支払いだけではなく、友人との割り勘や、大人数での食事会での集金の際にも便利です。一円単位でやりとりでき、残高の追加も銀行の口座から簡単にできるため、手元に現金を用意する手間が省けます。私も友人とのご飯や、プレゼントを割り勘で買う時にはお世話になることが少なくありません。LINEなどのSNSのデータや電話番号を伝えるだけでいいので、いつでもお金のやりとりができるのも大きな魅力です。

 ATMでお金を引き出す時に生じるのが手数料です。利用時間や曜日、振込先によってかかる手数料を気にして、自分の好きなタイミングでATMを使うことを躊躇うこともあると思います。キャッシュレス決済では、残高の追加に手数料がかかることが基本的にはありません。銀行口座とキャッシュレス決済の残高のやりとりも簡単で、不要な金額を銀行口座に再度戻すことも簡単にできます。

しかし、難点もあります。それは、お金を使っている感覚がなくなるということです。QRコードやスマホをかざすだけで支払いができるということは、現金を目にすることがなくなるということです。気づいた時には、銀行口座の残高が30円、なんてことが私にはありました。もちろん、自分の管理不足が一番の原因ではあると思うのですが、なんとなくキャッシュレス決済を使っていると、永遠とお金があるように錯覚してしまうようです。残高は限りがあっても、銀行口座と結び付けて簡単に追加できるようにしたり、クレジットカードの機能をつけてしまったりすれば、お金の使いすぎも気づきにくくなってしまいます。

この「お金の使いすぎ」と言う問題は、自分で対策を講じるしかありません。利用限度額を設定してみたり、キャッシュレス決済は割り勘や集金の時だけにしてみたり、現金を使う頻度を増やしてみたり。あくまで「お金を使っているんだ」と言う感覚を忘れない心構えが求められているかもしれません。

<参考記事>

3月30日付 日本経済新聞朝刊 5面「キャッシュレス4割迫る 昨年最高、政府目標値が