7/15の強行採決。その瞬間、国会周辺の人々は。

安全保障関連法案は昨日の午後、衆院特別委員会で採決が行われ、自民・公明両党の賛成多数で可決されました。どうしても強行採決の抗議の輪に関わる市民の姿を知りたくなりました。私は朝から、国会議事堂に足を運びました。

午前9時にもかかわらず人だかりができています。いてもたってもいられなくて参加した静岡県の60代のご夫婦もいました。どうやら都内の住人たちだけでなく、遠方からも参加しているようです。ご夫婦は「未来に禍根を残したくない」とゆっくりと語ってくれました。

「週一」でこのようなデモ・座り込みに参加する50代男性。最近の国会周辺の変化に驚いていました。いままでのデモの雰囲気とは何かが違うらしい。若い人たちの姿がここ最近、増えたからだと力強く語ります。一部の世代の人だけではなく様々な世代が声を上げることに心強さを感じている様子でした。

たしかに見渡せば若い人の姿もぽつぽつ。夜勤帰りや仕事を休んできたという20〜30代の人々も見かけます。

なかでも、印象的な女性に出会いました。20代の専門学生です。ポスターなどのグラフィックデザインを勉強するごく普通の女の子です。座り込みに参加するのは初めてのこと。安保法制に反対する学生グループ「SEALDs(シールズ)」の活動をネットで知り、自分も考えなくてはいけないと思い参加をしたそうです。「戦争反対!」「廃案!廃案!」と流れるアナウンスに最初はためらいつつも、徐々に大きく声を上げて訴えていました。デモや座り込みに若者も参加しやすい雰囲気になったことを喜んでいるようでした。

いらだち、はがゆさ、あせり、やるせなさ…。出会った人はそれぞれいろいろな思いを胸に抱いています。そしてそびえ立つ国会議事堂に駆けつけているのです。

いま、私自身が安保法案が賛成か反対なのか、正直わかりません。安保法案を十分に理解している自信がないからです。それでも今回の強行採決に関してはやはり賛成できません。政府の答弁が人によって食い違ったり、変遷する姿をみたりすると納得がいかないからです。

法案に関心があるから、デメリットを含めて説明してほしいと願う人が多くなっているのではないでしょうか。私の友人もテレビで座り込みの様子をみて、Twitterで「選挙にきちんといこう、考えなくちゃ」とつぶやいていました。その友人は選挙に行かなかった自分の無責任さを後悔しています。一部の人の心配事ではなくなりつつあります。関係ないと思っていた方も立ち止まり考えてみませんか。

政府が世論の動きに敏感になってくれることに期待します。メディアには国会の動きについてのわかりやすい報道を願います。これから抗議はさらに白熱するでしょう。声をあげる市民の存在、支持率が伝える市民の思いを忘れないでほしいものです。

参考記事:16日付各紙朝刊(東京14版)関連面