産むのが正解? 産まないのが正解?

「結婚はしたいけど子どもはいらない」

わたしは今年21歳になりますが、友人との間で、こんな話題が上がるようになりました。話の要旨としては理想の異性のタイプや、結婚観についてなのですが、その先の話となると上のような意見が多い気がしています。みなさんはどうでしょうか。

今日の朝日新聞の生活面で取り上げられたのは、出産について悩む3人の女性のエピソード。年齢や体質が原因で子どもができない、子どもは一人いるが次はまだかと周囲に言われるものの経済的に難しい、職場にワーキングマザーが多い中、未婚の自分に対するプレッシャーが辛い、など悩みは様々です。

少子化問題が騒がれる今日、このような話題は誰しもが必ず耳にしていると思います。こういったエピソードを読むにつけ感じるのは、「女性は子どもを産むもんだ」という固定観念の存在です。特に比較的年齢層が上で、50代以上のもう子育てを終えた世代はこういった固定観念が強い。ベビーブームを経験していたり、家のために子どもを産むという考え方が一般的だった世代なのですから、当たり前だと思います。それに、「結婚したら子どもは作るよね」という考え方が間違っているとは思いません。わたしだって身内が結婚して長く子どもを作らないということがあれば「子どもは?」と聞きたくなるでしょう。

ただここからが重要だと思っているのですが、子どもがいないのはおかしい、または結婚しないのはおかしいという考え方はもう古いということ。そしてそれを他人に当てはめるのはもってのほかということです。

昨年11月、参議院議員の山東昭子氏が自民党の役員連絡会で「子どもを4人以上産んだ女性に国が表彰するのはどうか」と提案したということがありました。これに対して、「国のために子どもを産むわけではない」という意見が上がり、物議をかもしています。当たり前ですね。

これはとても極端な例ですけれど、前述の東京都の女性の体験でも「まだ大丈夫よ」「どうして諦めるの」などと言われたという部分がありました。子どもがほしいと思っているのにできない方もはもちろん、そもそも子どもはいらないと思っている方に対しても、正直な話、余計なお世話ではないでしょうか。しかも、身内のことでないならなおさらです。

結婚しなくても幸せになれる世の中になりました。子育てが女性のマストである必要はなくなったのです。こう言い切ってしまうと少し寂しい気もしますが、「子育て」は人生の中でとんでもないウェイトを占めます。女性は特にそうでしょう。子どもを育てることはすごいことで、子育てをしたことのない人にはその苦労はわかりません。でもそれは子育てに限った話でもないのです。家族を持つ選択をせずに生涯仕事に専念する人も、家庭のため子どものために仕事を辞めたり、セーブする人もどちらも本当にすごい人。非難する必要ないじゃありませんか。

わたし自身、現状では特に子どもがほしいとは思っていません。子どもが嫌いというわけではありませんが、将来的に子どもを育てられる環境が整う気がしない、という理由が大きいです(逆を突けば、そのために環境を整えたいと思うほど子どもがほしいと思っていない、というところなのですが…)。自分にとっては先の話ですからまた変わってくるのでしょうけれど、仮に子どもを作らない選択をしたとして、誰かに「子どもいないの?」なんて聞かれたとして。

「そうよ。これはこれで楽しいしね」

そんなふうに答えられるようになりたいですね。

参考記事:
10日付 朝日新聞朝刊(大阪13版) 23面(生活) 「産む・産まないのはざまで」