お正月 「家族」について考える

三が日も昨日で終わり。年末年始を、皆さんはどのように過ごしましたか。家族と、恋人と、親友と。筆者の友人に絞っても、過ごし方はさまざま。旅行サイトでは、「年末年始おひとり参加限定の旅」プランも人気のようです。「ぼっち正月」も定着しつつある昨今。一家でおせちを囲む風景が、変わりつつあります。

振り返ってみると、冒頭で取り上げた「おひとりさま」をはじめ、平成は多様な価値観が話題になった時代でした。例えば、メディアでも取り上げられる機会が増えたLGBT。最近では、性別が「男・女・その他」の3つから選べるようになってきています。去年は、「同性婚」を認める法案も初めて提出されました。少しずつですが、様々な考え方を受け入れる体制が整いつつあります。

そのような時代ですから、「付き合っている人はいないの?」「結婚はいつするの?」「子どもは?」などと聞くのはご法度。「家庭を持つ」ことは当たり前ではなく、あくまで選択肢の一つです。1人でもよし。好きな人が同性でもよし。2人の夫婦生活を続けてもよし。自分にとっての幸せを、自由に追い求める人が増えています。

血縁ではないところに家族のような繋がりを求める人も出てきています。今朝の読売新聞では、様々な「家族のかたち」が取り上げられていました。印象的だったのは「拡張家族」。ここに血の繋がりはありません。新しい家族像を追求しようと生まれたこのコミュニティは、誰かが怪我をしたときなどに備えて積み立てたり、メンバーに子どもが生まれた際はみんなで子育てに協力したりするといいます。孤立する家族や個人が増える今、このようなコミュニティの存在も重要になってきているようです。

多様化する社会を歓迎する一方で、血縁の家族の繋がりを軽視してはいないだろうかと危惧する自分もいます。年末年始は家族水入らず。これにはこれの良さがあります。時代が変わっても、今までの「当たり前」の風景も選択肢の一つであることは忘れないでいたいものです。

参考記事
4日付 読売新聞(12版)6、7面「令和を拓く 新しいつながり 暮らし方多様に」