2020年から始めよう! フルマラソン

読者の皆さんは正月休みをどのようにお過ごしでしょうか。仕事に専念される方もいる一方、テレビを見て寛いでいる方も多いでしょう。正月の風物詩といえば箱根駅伝は欠かせません。今年は超高速駅伝となり、歴史的な区間新記録が多く樹立されています。上位校は復路に有力選手を残しており、明日の展開や総合優勝のタイムが気になります。

ただ、ランナーの中には自身の記録やチームの優勝だけでなく、箱根の舞台を経てフルマラソンで世界に挑むことを見据えている選手もいます。視聴者の中にも、選手の姿に刺激を受けてマラソン挑戦を決心した人も多いのではないでしょうか。そこで、先々月マラソンに初挑戦し、先月3時間12分を記録した市民ランナーの私なりに、初マラソンの走り方をご紹介します。

第一段階は大会に申し込むことです。北海道を除き、通常10月〜4月の寒冷期に大会は開催されます。申し込み時期は抽選を要する人気の大会なら半年前、地方の大会でも2〜3ヶ月前に締め切られます。練習の進捗や体調に応じて、走りたいときにすぐエントリーできるものではないので、早めにスケジュールを練る必要があります。

今日1月2日現在でも申し込みが間に合う今シーズンの主な大会は以下の通り。

首都圏や関西の主要な大会は既に終了したり、申し込みが締め切られているため、来シーズンまで待たなければなりません。また、出場する大会の選び方にはいくつかのポイントがあります。

まず抽選倍率と大会の規模を考慮すべきです。フルマラソンに挑む際、知名度の高い東京マラソンへの出場を望む人が多くいますが、抽選の倍率は毎年10倍以上になります。大阪や神戸でも4倍前後の倍率があり当選は容易ではありません。また、大規模な大会の出走者数は2〜3万人程度になります。開始の号砲が響いてからスタート線を切るまで15分程度かかる場合もあり、レース中も道が大混雑します。個人的には、定員5千〜1万人程度の小規模な大会の方が、他の走者と接触することなく落ち着いて走りやすいと思います。

混雑時は接触事故に注意すべし

制限時間も重要な項目です。通常は5.5〜7時間程度ですが、脚力に自信がなければ制限が緩い大会を選んだ方が良いでしょう。タイムは走路にも影響されます。全体的に起伏の多いコースや後半に急な上り坂が続くコースを避けた方が好記録で完走しやすくなります。

大会を決めたら、練習を始めます。トレーニングプランはミズノが公開している表が参考になります。長距離は練習量がものを言う競技なので、とにかく練習を積んで、走れる距離を少しずつ伸ばしていくのが良いかと思います。最初から負荷の高い練習を始めると精神的に辛くなって続かないので、軽めの練習をコツコツ継続する方が効果的です。30km程度のジョギングに慣れておけば、本番でも容易に完走できます。

最後にフルマラソン本番での心構えです。競技中には2〜3000kcalのエネルギーと3〜4L程度の水分を消費します。レース前夜や当日の朝にたくさんのご飯を食べ蓄えておくだけでなく、走行中も頻繁にドリンクや栄養食を補給する必要があります。本番はアドレナリンが出るので、前半の20km程度は給水と給食がほぼ無くても走れることが多いのですが、後半に必ずガタが来ます。スタート直後のほとんど疲れていない状況でも、早くから給水、給食を摂取することをおすすめします。

装備は箱根駅伝や実業団のランナーを中心にナイキ製の厚底シューズが大流行していますが、普通の運動靴でも十分走れます。私は厚底シューズを履いたことがないので効果の差異は不明ですが、運動靴でも膝や脚を痛めることはありません。一方、あると役に立つのは手袋です。手はマラソンの最中に最も冷える部位です。手がかじかんで凍りつくと走る意欲も急激に萎えるので、冬季は手袋が必須です。

箱根駅伝で人気の厚底シューズは初心者には不要だ

長距離走は辛いときもありますが、限界突破して完走を果たせば、何ものにも代え難い達成感を得られます。

2020年、フルマラソンにぜひ挑戦してみませんか?

 

参考記事:

1日付 読売新聞朝刊(東京13版)18面「箱根駅伝 あす号砲」

同日付 朝日新聞朝刊(東京14版)19面「箱根駅伝 あす号砲」

 

参考資料:

ミズノ「ランニングアドバイス トレーニングプラン」

https://www.mizuno.jp/running/training/training/