暗記ばかりでは、世界と戦えない

フィンランドと日本の国交100周年を記念して、今月都内ではムーミン展をはじめとするイベントが開催されています。今朝の読売新聞に詳細が記載されていました。

筆者にはフィンランドとの縁があります。というのも、高校生の時に、フィンランド人の女子高校生を10か月間、自宅で受け入れていたからです。私の部屋を彼女に貸し、私は母の部屋を使い、一つの家族として共に過ごしました。

「暗記ばっかりしているね」。世界史の定期テストの勉強をしている時に言われたことがあります。日本では当たり前である暗記も、フィンランドではそうでないことを初めて知りました。

ここで彼女が受けた高校の卒業試験の問題を紹介しましょう。彼女から教えてもらいました。

 

「第二次世界大戦時のフィンランドの立場をこの2つのテキストを使って説明しなさい。このテキストはどう違うのか、なぜ違うのかも考えなさい」

 

暗記だけでは回答にたどり着けません。自分で考えて答えを紡ぎださなければなりません。このような問題を私は今まで解いたことがありませんでした。経済協力開発機構(OECD)の学習到達度(PISA)でフィンランドが常に上位にいるのは、このような思考力重視の教育のおかげではないかと思います。大学まで学費がかからないことでも有名です。家庭環境に左右されず、誰もが平等に質の高い学びを受けることができるのも強みです。日本もフィンランドのような教育を理想にすべきだと私は思います。

暗記教育の中で競っていても、世界の国々と戦う力を養うことはできません。日本が競争力を取り戻すカギは、フィンランドの思考力重視の教育にあるのではないでしょうか。

 

参考記事

5日付 読売新聞量感 (東京14版) 24面 (地域)「フィンランド魅力触れて 国交樹立100周年 六本木ではムーミン展」