いつでもどこでも働く人に感謝

史上初の10連休となった今年のゴールデンウィーク。皆さんはいかがお過ごしになりましたか。海外や国内旅行に出かけた方。家で映画ばかり見たり、ぐーたら過ごしたりした人。過ごし方は千差万別でしょう。

ゴールデンウィーク期間中、ネットでは「10日も休めない」「みんなが遊んでいる最中も私は仕事」「10連休は一部の大企業だけ」などと恨み節が多く書き込まれていました。中には連休に働いている人に大いなる感謝を、と自分から求める書き込みも。

確かにいま目の前で働いている人には感謝しなければなりません。でも、それは連休に働いているからという理由ではないはずです。平日だろうが休日だろうが、朝だろうが夜中だろうが24時間365日誰かが働いているからいつでも感謝の気持ちを忘れてはならないのであって、連休に働く人が特別えらいわけでもないはずです。

仙台市の飲食店では連休でアルバイトが不足することから管理職が接客業務をしているそうです。これに対しても「デスクワークの人が接客などできない」「現場の大変さがよく分かるだろう」とはたから見れば上から目線とも捉えられるような声がありました。アルバイト従業員だって管理職が普段手がけている組織マネジメントや人事、総務や法務という業務は難しいはずです。相互に仕事のテリトリーがあって、簡単に取り替えられないのだから、なんでそんなに大仰に言うのだろうとふと感じます。

ところで、朝日新聞が昨年12月に実施した世論調査では、10連休に対して嬉しく思わない人が45%に上っていました。しかし、少し前は「日本人は働きすぎ」と時短勤務や残業規制を求める声が強かったはずです。定時ぴったりに帰社する宣言をする人がいたり、海外を見習って働く人にやさしい環境を求めたりする動きが強くなっていました。しかし、いざ祝日が増えたら半数近くの人がそれを良しと思わないという結果になったのです。

素朴に思うのは、「だったら何が正解なのか」。日本人は働きすぎで過労死もたくさん発生している。だから労働時間をある程度減らさなければならない。でも祝日が増えるのはうれしくない。では、あるべき労働とは何なのかと問いたいのです。

そもそもこの10連休は今年限りのもので、天皇陛下が即位されることを祝してたまたま長い休みになっただけのこと。いわば、特別な事情による10連休であるわけで、それを嬉しくないと捉えるのは何かが違う気がします。結局、何か現状を憂えて物申したいだけなのではないでしょうか。

休日だから、などと持って回った理由をつけることなく、いつでもどこでも今そのとき働いている人に感謝することを心がけたいものです。

参考記事:

6日付 読売新聞朝刊1面「10連休おつかれUターン」

朝日新聞https://www.asahi.com/articles/ASLDK4QY3LDKUZPS002.html (2018年12月17日)

NHKhttps://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20190429/0005393.html (2019年4月29日)