防災士15万人超え…災害大国で身を守る術を

防災士をご存知でしょうか。2003年度に出来た資格です。NPO法人日本防災士機構が主催する講習や試験を受けた人に認証します。機構のホームページによると、防災士とは「『自助』『共助』『協働』を原則として、社会の様々な場で防災力を高める活動が期待され、そのための十分な意識と一定の知識・技能を修得したことを、機構が認証した人」とされます。

自助とは自分で自分の命を守ること。共助は地域・職場で助け合い、被害拡大を防ぐこと。そして協働は市民、企業、自治体、防災機関等が協力して活動することと位置づけられています。地域の避難訓練の指導のほか、災害時には救助活動や避難所の運営に自主的に参加することが求められます。

この資格を取得した人の数が先月末時点で15万人を超えました。背景には相次ぐ災害があるようです。今年だけでも、6月の大阪北部地震、7月の西日本豪雨、9月の北海道胆振東部地震と、日本が災害大国であることを改めて突き付けられた1年でした。資格取得者は中高生から高齢の地方議員まで広い年齢にまたがっているそうです。

実は筆者も今年2月に資格を取得しました。救急救命講習やグループワークなど実践につながる講習もあり、その時学んだことは今も忘れていません。いざ災害が起きた時、行政や警察、消防がマヒ状態に陥る可能性もあります。自分の命を自分で守ることが、被害を防ぐ第一歩なのです。

筆者が留学している韓国では、外から見た日本の話をしばしば耳にします。中には日本の災害の多さに恐れを抱いている人もいます。地震、津波、豪雨、土砂災害…。これだけ複数の災害が発生する地域は世界でも稀なのかもしれません。ちなみに、韓国では地震は滅多におきません。防災グッズを見かけることはほとんどなく、高層マンションは日本と比べ格段に細いです。日本との違いに驚きを隠せません。

▲細さが気になる韓国の高層マンション。(ソウル市内で筆者撮影)

 

災害大国・日本に暮らしているからこそ、身を守る術を修得する必要があると思います。

参考記事:
24日付日本経済新聞朝刊(東京12版)30面「防災士 15万人超す」
同日付河北新報朝刊(16版)3面「防災士 15万人超す」

参考文献:
NPO法人日本防災士機構ホームページ
( http://bousaisi.jp/ )