本性を見せろ「パパ活」

育活、恋活、婚活など、近年「〇〇活」という言葉がよくメディアに登場しています。テレビドラマのタイトルにも使われるようになったことで一気に普及して、普段の会話まで影響を与えるようになったと思います。

では、「パパ活」はご存じですか。

名前を聞くかぎり「パパが積極的に育児参加すること」と思うかもしれません。私も「イクメンを目指す活動のことを言っているのかな」とプラスの印象を受けていました。しかし、本当は「パパ」と呼ばれる男性と一緒に食事や買い物をして、デートの見返りにお金を受け取ることを意味しています。

今朝の朝日新聞に、「パパ活」をアルバイト感覚でおこなっている高校3年の女子生徒を取り上げています。学業や家事で時間が限られるなか、アルバイトを探していました。すると、同世代の子が「パパ活」をしていることをツイッターで知ったそうです。月20万円も稼ぐ子もいるとのことです。短時間でデートをするだけなので始めやすいのかもしれません。また、お触りや性的行為は厳禁の決まりがあるので、自分は大丈夫と過信してしまうのではないでしょうか。

この活動の背景には、男性が女性を性的搾取の対象と見なす文化が「パパ活」を生み出し、そこに寂しさを感じている女性が深く関わっている。京都教育大学の関口久志教授はこのように指摘しています。

男性が悪いのか、自ら関わっていく女性が悪いのか、それはどちらとも言えません。しかし、どうしても気になるのが「パパ活」というポップな呼び方です。話を聞くかぎり、援助交際の一部に足を踏み入れている行為だと思います。それを軽いノリの言葉で隠すことで、若い女性がとっつきやすいように言い換えているところが許せません。

レンタル彼女、彼氏というアルバイトも、メディアで注目されることがあります。需要側も供給側も、人間関係に不満を感じているからこそ成り立っています。現代ならではのビジネスだと思いますが、これらにあえて親近感を持たせるような名前をつけることには嫌悪感しかありません。

 

参考記事:

18日付 朝日新聞朝刊 14版34面「バイト感覚「パパ活」女子生徒」