終わらない 原爆

今日、広島は「原爆の日」を迎えました。被爆から73年が経ち、平和記念公園では午前8時から平和記念式典が開かれました。

私の曽祖父は1945年8月6日に投下された原爆により、命を落としました。祖母は産まれる前でしたが、体内被爆に遭っています。身近な人が被害者となった私にとって、忘れてはいけない問題だと感じています。

亡くなった曽祖父のお骨は見つかっていません。そのため、今年、広島の平和記念資料館を訪れた際、スタッフの方に被爆者の遺体はどうなったのかを聞いてみました。すると、「当時、身元を特定する時間はなく、一度に火葬された。再開発が進んだ広島市内で火葬され、埋まっていた遺骨は平和記念公園内にある原爆供養塔の下の土の一部になっている」と言います。市内で被爆したため、きっと、その土の中にお骨が含まれているのでしょう。

核兵器は一度に多くの死者を出すだけでなく、それ故に弔いも十分にできないというあまりに悲惨なものです。

ですが、世界を見てみると、廃絶に進んでいるとは言い難いと思います。核拡散防止条約で認められた米・露・英・仏・中以外に、インドやパキスタンに加え、イスラエルも核を持っていると言われています。隣国、北朝鮮も一時的に落ち着いているとしても危険な国であることに変わりはありません。対する日本はアメリカの核の抑止力に頼っている状況です。

日本は、東日本大震災による福島第一原発事故で原子力の怖さをもう一度味わうことになりました。数年前、甲状腺の病気にかかった祖母は、原子力の恐ろしさを知っているからこそ、「原発だけは絶対に良くない」と言っています。

厚生労働省によると、3月末時点で、被爆者健康手帳を所持する人は15万4859人、平均年齢は82.06歳となりました。体験者の話を直接聞ける機会は確実に減っています。先人たちの話に耳を傾け、これからを考えていくべきです。

今の日本は、歴史から何も学んでいないと感じています。唯一の被爆国である日本が、率先して核の廃絶に向けて努力しなければ、この脅威は終わりません。

参考記事:
6日付 朝日新聞朝刊(13版) 28面 (社会) 広島原爆 今日73年
同日付 読売新聞朝刊(13版) 3面 (総合) 核戦争のリスク減らす戦略を