今日は土用の丑の日。街中では「うなぎ」の文字を多く目にします。ですが、今年の稚魚の漁獲量は史上2番目に少なく、絶滅の危機が目の前に迫っています。ウナギの蒲焼を食べる風習が日本から消える日はそう遠くないかもしれません。
ウナギの生態系については解明されていないことも多く、資源量の管理が困難な状況です。現在スイスで開催されているワシントン条約の委員会では、規制や資源について議論されています。もし、来年開かれる締約国会議で制限されることになれば、価格の高騰どころか、スーパーに並ぶことすらなくなってしまいます。
一方、今年は「変わり種」の蒲焼きが多く売られています。うなぎの代わりにハモやイワシなど他の食材を使った蒲焼きです。大学の食堂では、豚肉を使った「豚かば丼」が期間限定で提供されているのを見かけました。
さらに、SNSで話題になっているのは、大学生協で売られている「土用のたれめし」です。白いごはんにタレをかけただけの商品ですが、圧倒的な低価格と美味しさで評判を呼んでいます。スケトウダラのすり身で作られた駄菓子「蒲焼さん太郎」とセットで売られている店もあるようです。併せて食べればウナギの蒲焼を食べているような気分になるのかもしれません。
そもそも、土用の丑の日の文化は、「う」のつくものを食べて精をつけ、無病息災を祈ったのが始まりです。梅干し、ウインナー、うどんなど、「う」のつく食べ物はたくさんあります。必ずしもウナギでなければいけないということではなさそうです。
昨日、京都で39.8度が記録されるなど、全国の多くの地域で猛暑日となりました。19日の時点では、熱中症による死亡が10人にも上っています。厳しい暑さが続いていますが、それぞれの楽しみ方で乗り切りましょう。
参考記事
20日付 朝日新聞朝刊(東京12版)14面(オピニオン)「ウナギ不漁 食べ尽くさないために」
同日付 日本経済新聞朝刊(東京12版)18面(マーケット商品)「ウナギのイロハ 職人不足も深刻」
同日付 読売新聞朝刊(東京14版)1面「熱中症10人死亡」