ありがとう日本代表!だからこそ…

日本先制!追加点!FIFAランク3位と格上のベルギー相手に日本はかなり優位な展開に持ち込むことができました。このとき、いったいどれだけの日本人が、「ベスト8進出」を確信したのでしょうか。筆者もその一人です。しかし、すぐに同点に追いつかれ、後半アディショナルタイムの4分が経過する直前、ベルギーのカウンターで日本は2-3で惜しくも敗れてしまいました。

 

深夜3時にキックオフだったのにもかかわらず、ビデオリサーチによると平均視聴率(午前5時まで)は、関東地区で30・8%でした。安倍首相も自信のツイッターで「最後まで全力を尽くし、たくさんの感動を与えてくれたサッカー日本代表の皆さんに、心から感謝します。毎日がわくわくで、夢のような2週間をありがとう!」とつぶやいています。

前評判は決して高くなく、全敗するという予想まで出ていた中、ここまで戦い抜いてきた日本代表の選手、スタッフの皆様、本当にお疲れさまでした。一方で、これまでの試合の中で、一つだけ疑問に思うことがあります。

それは、世界中で賛否両論の意見が出ているポーランド戦です。試合自体には負けていたのにもかかわらず、セネガルよりファウルや反スポーツ的行為などの反則に対して科されるフェアプレーポイントで勝っていたのを理由に時間を稼ぐためにパス回しを行なったことが問題となっています。

確かに、点を取りに行かず、自陣でパスを回している様子は、決して面白いものではなかったでしょう。選手や監督も試合後のインタビューで「不本意だった」という旨の発言をしています。ですが、そこまでしてでも、「ベスト16」に進出することが必要だったのではないでしょうか。

ワールドカップが開催される2か月前、ハリルホジッチ監督が電撃解任されるというニュースがありました。その際、JFA(日本サッカー協会)の田嶋会長は会見で、次のように語っていました。

日本代表がベスト16に入れる可能性を、1%でも上げるための決断を下すことが私の責任だと思っています。グループリーグを突破できなかった時の責任については、常に考えなければいけない。

協会のトップがこのような発言をしていた中で、現場責任者として西野監督はあの場にいたわけです。「不本意」という言葉の中には、協会からのプレッシャーも含まれていたのではないか、と疑ってしまいます。

今回ベスト16に進出できたからといって、ハリルホジッチ氏を解任したあの騒動が解決したわけではありません。また、あの騒動によって今後代表監督を引き受けてくれなくなるリスクが高まったことは事実です。協会のこれまでの対応はずさんなものだったと思います。

以前あらたにすではこの事件を取り上げたことがあります(わすれないで、選手のきもち)。これからも、選手たちの負担や想いにも目を向けながら、サムライブルーを応援していきたいですね。

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