部活動する?

 

「土日も祝日も関係ない。もう辞めたい」

中学2年のある日、同級生が私に嘆きました。
彼は吹奏楽部員。吹奏楽部は毎年コンクールで優秀な成績をおさめており、休日返上で部活動に励んでいました。
特に夏のコンクール前は追い込み練習が激しく、日によっては20時頃まで部活が続くことも。
その姿を見ていた私たち生徒は「運動部よりハードな文化部」と呼んでいました。

「部活のせいで勉強する時間が削られる。だったら辞めて塾に通う」
その後、彼は本当に部活を辞めました。
体を動かす運動部の方が大変だと思われがちですが、文化部でも負担を感じている生徒は少なくありません。

「じゃあ部活なんてやらなきゃ良いだろう」

と言うのは簡単ですが、私の母校は部活動への参加が絶対条件だったので、そうもいきませんでした。

一方、教員側も大変です。
中学校の教員である私の父は、休日も練習指導や大会運営で忙しく、休みは限られていました。
仕事を家に持ち帰ることも多く、深夜までパソコンに向かうことも。
教員にとっても部活動の負担は大きいのです。

もちろん部活動から学ぶことはたくさんあります。努力して目標を達成すること、チームワークの大切さ、先輩や後輩との人間関係…。
ですが、負担を感じながらでは「部活動って一体何なんだろう…?」と疑問を感じる人も出てくるでしょう。

「ROOKIES」「スクールウォーズ」「スラムダンク」「ちはやふる」「けいおん」…
部活動を取り上げたドラマや漫画はたくさんありますが、現実において作品のような美談は多くありません。
生徒や教員の負担を減らすために、運動・文化問わず休養日を設定することや、指導員の確保をするべきです。

 

 

参考記事:
20日付読売新聞朝刊(東京12版)15面(くらし 教育)「文化系部活にも余裕を」

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