「水」商戦のカタチ

突然ですが、ペットボトルの水を買いますか?

いわゆるミネラルウォーターに限らず、現在日本で市販されている「水」の種類は多岐にわたります。近年、飲料業界の中でも急拡大している分野でしょう。特に味付きの「フレーバーウォーター」はここ数年で見る機会がぐっと増えたように思います。筆者もフルーツ味のものをよく購入します。

もう一つ人気商品が生まれています。今朝の朝日新聞には、炭酸水商戦が活発化しているとの記事が掲載されています。刺激やキレ味で特徴を出した、無糖の炭酸水を各社が次々と売り出しているそうです。健康志向の高まりを受け、糖分とカロリーの低いものや、食物繊維入りのものなど、各社は工夫を凝らしています。

この記事を読んで思ったのが、求められている「水」の種類が一つではない、ということです。飲料メーカーでつくる一般社団法人「全国清涼飲料水連合会」によれば、炭酸水とミネラルウォーターの生産量は、それぞれ07年と11年ごろから、右肩上がりの様相を呈しています。

調べてみると、どちらも上昇気流に乗る時期に目玉となる製品が登場していました。07年にはいわゆる「ゼロカロリー」飲料が、10年にはフレーバーウォーターのさきがけとなる製品が発売されています。前者は健康志向の客層を狙い、後者は味を楽しむ人をターゲットにしています。考えてみれば、この流れは現在も「水」をめぐる2大勢力となっている気がします。

無糖の炭酸水を好んで飲む友人に、買う理由を聞いてみました。答えは明快で、「ゼロカロリーだから」。特にダイエットを考えているわけではないけれど、いつも飲むものだからこそ、気を使っていると説明してくれました。ちなみに筆者は先述の通り、フレーバー派。透明な水なのに味がついていることにワクワクします。小さい頃の駄菓子を買う時の感覚と似ている気もします。健康を気にしたことは特段ありません。

あらためて自身の通うキャンパスを見てみると、生協の飲料棚の数段分は水が占領していました。たまに迷走しているのでは、と思う味や配合物の製品も目にしますが、人気市場であることは間違いないようです。どこにでもある水に大いなる付加価値を付け、商機を見出した開発者に脱帽です。

みなさんは健康志向派ですか?それともワクワク派ですか?

参考記事:

19日付 朝日新聞朝刊 (東京13版)11面(経済)「炭酸水商戦 刺激的! 健康志向追い風 市場10年で9倍」