残り1週間、候補者も有権者も努力を

 大学生協で購入した弁当に添えられる割りばしの袋には衆議院選挙のPR広告が掲載されるようになりました。若年層の投票率が低迷する現状を少しでも改善しようとするために大学も取り組みを進めています。さて、衆院選の公示後初の週末となった14日、各地の選挙戦は一段と熱気を帯びています。特に筆者の住む兵庫県内には自民、希望、日本維新の会の各党首が相次いで訪れました。

 自民党総裁の安倍総理は神戸市内で兵庫1区の自民前議員と演説し、「もっと多くの外国人観光客に神戸牛を食べてもらい、地元の酒を飲んでもらおう」と声をあげました。同選挙区は県内でも毎回接戦となる激戦区で、県連幹部は強い意気込みで臨んでいます。

 同じ日、希望の党の小池代表は西宮市内で演説して「懐かしい西宮北口へ戻ってきた」と関西出身をアピールしました。宝塚や神戸でも演説し、あわや安倍総理と「ニアミス」するところでした。

 一方、日本維新の会の松井代表は「自民党を勝たせすぎたらおごりが出る」と述べ、自民党の補完勢力との批判をかわそうとしています。維新が擁立した県内4選挙区はいずれも自民党に加え、他の野党とも競り合う構図で難しい戦いとなっているようです。

 ところで私の住む西宮市の市長は昨年の参院選の際、市政報告で「政治家は『国民の代表』ではなく『投票した人』の代表に過ぎない」とコメントして批判を浴びました。確かに憲法上の基本原則からは外れるかもしれません。しかし、あながち間違った発言ではなく、むしろ的を射た発言だとさえ思います。投票に行かずに選挙後の政治についてあれこれ意見するのは極めて無責任なのですから。

 次の日曜日はいよいよ投開票日です。大義なき解散だとか、各党が受けの良い政策を主張している、などの指摘がありますが、いずれにせよ国政選挙、とりわけ政権選択選挙である衆院選において私たち一人一人が1票を投じることは非常に大きな意義があります。残り1週間、街中での街頭演説に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

参考記事:

15日付 読売新聞朝刊14版 31面(地域)「党首続々 兵庫の陣」