慰安婦報道 ーネットは叩き過ぎではないかー

「全ての日本人に汚名を着せた」「一家皆殺しでいい」「追いつめる」

思わず目をそむけたくなるような過激な言葉たちが「2ちゃんねる」などのネット掲示板やツイッターなどに次々と書き込まれています。いわゆる従軍慰安婦問題を巡り、今年8月に朝日新聞が記事を取り消した問題。報道に関わった元記者の個人名や顔写真などに加え、家族とされる情報まで掲載されています。先日は、元記者の勤務先の大学に脅迫文が届いていたことも発覚しました。激しさを増す攻撃に専門家らは警鐘を鳴らします。

ネット問題に詳しい岡村久道弁護士は「今回は慰安婦報道に関する朝日の謝罪が遅れたことが騒ぎを大きくした」「ネットの一部の人は極論で注目を集め、匿名で『炎上』させている。写真や経歴、家族等の情報をさらすことは、プライバシーの観点がら行き過ぎだ」と指摘します。

ジャーナリストの武田徹氏は『ネット住民にとって朝日は『仮想敵』で、不祥事があればたたかれる。しかし、主義主張の気に入らない問題があれば冷静に反論すべきであって、記者の家族らに対する攻撃は間違っている』と話しています。

メディア論が専門の碓井広義・上智大教授は「過ちを犯したことに対する正当な批判はすべきだが、個人を特定し、職場に圧力をかけるなどして本人を窮地に追い込むような卑劣な行為は許されない」と話しています。

私は新聞が大好きです。だからこそ、今回の問題は非常に残念でした。しかし、専門家が指摘するように、最近のネット・週刊誌などの攻撃は行き過ぎていると思います。皆さんはどう感じますか?朝日に限らず、不祥事を起こしたときの袋叩きは「社会的制裁」だから仕方がないのでしょうか?

参考にした記事:

3日付け読売新聞(大阪・14版)社会面「慰安婦報道 ネットで元旭記者攻撃 勤務先や家族も対象」