眠らない街は必要か?

「24時間営業」、これは消費者のニーズの高まりとともに社会に取り入れられ、私たちも歓迎すべきものとして受け入れてきました。しかし経営を見直す必要に迫られた牛丼店「すき家」は、時代の流れに逆行して、全国に展開する店舗の約6割にあたる1167店で深夜営業を休止しました。

すき家はこれまで1人シフトの低コスト運営や、郊外への大量出店で成長してきました。しかしながらたびたび新聞等のニュースで取り上げられていた過重労働問題が契機となり、これまでの運営方針を切り替えなければならない現在の状況に至ってしまいました。

都内のすき家で働く大学生(21)は「ワンオペは体力的にきつい。かじを切ったことはよかった」と話す。(朝日新聞)

過酷な労働環境で働く従業員にとって今回のすき家の決断は喜ばしいことでしょう。デフレ脱却期にある今従業員にしわ寄せがくる低コスト運営は限界にきているのだと思います。

東京都中央区のすき家日本橋兜町店を訪れた会社員男性(23)は「牛丼店はいつでも立ち寄れて食べられるのがいいところなのに、深夜営業がなくなるのは残念」(讀賣新聞)

飲食店が閉まってしまう深夜、電車が動き始める前の早朝など確かに消費者のニーズは大きいのかもしれません。

大量出店、24時間営業、この2つのキーワードが今後の日本でも成り立つのか私は疑問に思います。人口減少が確実な日本ではこれらの需要も減るでしょう。しかも働き手が少ないのに供給が過剰なままであったら過酷な労働環境が従業員に強いられるのは当然の結果です。便利さを追い求めて生まれたものですが果たしてこの便利さを持続するべきなのでしょうか。一度便利さを知ってしまうとやめられないのが人間の性でしょうか。将来消費者に対するサービスはどう変わっていくと思いますか、ご意見お待ちしております!

 

【参考記事】

10月1日付朝日新聞朝刊 3面 「すき家6割 深夜休止」

同日付讀賣新聞朝刊 経済面「すき家 深夜休止」

同日付日本経済新聞 消費biz面「ゼンショー苦境一段と」

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