二大政党制を再び目指して

 今月28日、民進党の蓮舫代表が代表を辞任することを表明しました。その理由について「人事ではなくて、私自身をもう一度見つめ直さなくてはいけないと思った」と語っています

 一方、与党自民党も、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊部隊の日報を巡る問題で、29日に特別防衛観察の結果が公表され、大臣への報告があったかどうかは曖昧なままとなりましたが、混乱を招いた責任として稲田防衛相が辞任しました。

 相次ぐ議員の不祥事で、支持率急落にあえぐ安倍政権ですが、

民進党を低迷から脱却させられない蓮舫氏が代表でいてくれた方が都合が良いと考えていたからだ。(朝日新聞)

自民党内では当初、蓮舫氏率いる民進党の支持率が「低空飛行」を続けていることから、「蓮舫氏が『党の顔』でいてくれる間に解散に踏み切るべきだ」との意見があった。(読売新聞)

民進党の蓮舫代表の辞任も安倍政権にとっては一種の打撃だ。低迷する民進党が安倍政権を下支えしていた面があったためだ。(日本経済新聞)

とあるように、民進党の低迷が安定政権を運営できている一つの要因となっていました。

 あらたにすでも、蓮舫氏について言及した投稿は就任時の時だけです(変われるか 民進党)。今振り返っても、この記事で書かれている二重国籍問題をはじめ、期待されていた党のイメージを変えることができなかったのは、民進党としても、また現政権への不満の吐きどころが国政政党にない国民にとっても大きな問題です。

 次期代表は、枝野氏がすでに立候補しており、また前原氏と玉木氏、長妻氏などの名が挙がっていますが、代表次第で党の方向性が大きく変わるかもしれません。枝野氏はリベラル派、前原氏は保守派と政治スタンスには違いがあり、野党共闘や憲法改正など、主張は大きく食い違っています。結果次第では解党を含めた野党再編につながるという指摘も出ています。

 国民が求めているのはしっかりとした与党と、それに対抗できる野党の存在です。今は「支持政党なし」の割合が増えていることが表す様にそのどちらもありません。今回の辞任劇のように、政治不信に陥るようなことは、これ以上ないようにしてもらいたいものです。

参考記事:

29日付 朝日新聞朝刊(東京14版)1面(総合)「枝野氏と前原氏 一騎打ち公算大」

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同日付日本経済新聞朝刊(東京14版)4面(総合)「安倍政権、続く悪循環」

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同日付読売新聞朝刊(東京14版)2面(総合)「民進代表選 党員・サポーターも参加」

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28日付 朝日新聞朝刊(東京14版)4面(総合)「野党、共闘停滞に懸念 与党、静観の構え 蓮舫代表辞任」

同日付 読売新聞朝刊(東京14版)4面(政治)「 与党 民進代表選を注視 蓮舫氏辞任表明 解散戦略にも影響か」