空に希望を

 ライト兄弟が初めて空を飛んだり、ドラえもんがタケコプターを四次元ポケットから出したり。人類は、空に多くの夢を見ます。今の日本が抱えている問題も、空に解決の糸口があるのかもしれません。

 経済産業省によると、福島県の被災地域を廃炉やロボット技術に関連する研究開発、エネルギー関連産業の集積、先端技術を活用した農林水産業の再生、未来を担う人材の育成強化などを通じて新たな産業・雇用を創出し、住民が安心して帰還し、働けるよう、浜通りの再生に取り組むことを目的とした、国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想を県と共同して取り組んでいます。その一環として、ドローンを活用した荷物配送の実証試験が行われます。

 本日の読売新聞によると、政府の成長戦略「日本再建戦略2017」の全案が明らかになり、その中にはドローンによる荷物配送を2020年代に都市部で本格化させることが明記されています。トラックの自動走行と組み合わせれば物流コストの削減や人手不足に対応をすることも期待できます。

 世界に目を向けるとすでに実証が始まっている例があります。Amazonは昨年12月、イギリスのケンブリッジにて最初の試験配送を行い、成功しました。アメリカ、フランス、オーストラリア、イスラエルでも実証実験を行っており、数年後には日常的な光景になっているとAmazonは自ら語っています。

 以前、首相官邸に無人飛行機を落下させた事件が影響して、ドローンの使用には厳しい法規制をかけられています。しかし、以前にも指摘した通り、(http://allatanys.jp/blogs/3762/) 人手不足が深刻な物流業界にとって、無人宅配サービスは救いの手になります。被災地域にとっても、魅力ある産業や雇用が新たに生まれることは大きな希望になります。夢物語で終わるのではなく、しっかりと実現化に向けて取り組んでほしいと思います。

参考記事:
29日付読売新聞朝刊(東京14版)1面(総合)「ドローン配送 20年代に」