九州レインボープライド2023 同性カップルの結婚式について考える

今月4、5日、福岡市博多区の冷泉公園で「九州レインボープライド2023」が開催されました。LGBTQ当事者をはじめとするセクシュアルマイノリティ(性的少数者)への偏見にとどまらず、世の中のさまざまな差別から子どもたちを守り、前向きに自分らしく生きていくことができる社会の実現を目指す啓発イベントです。(参考:九州レインボーパレード配布チラシ)2日目のパレードでは、ブラスバンドやDJの音楽に乗りながら街を行く参加者が非常に楽しそうで、お祭りのようでした。

(博多座前西通り 5日筆者撮影)

 

筆者は「NPO法人北九州ブライダル協会」のブースが気になりました。コロナ禍により落ち込んだブライダル業界を立てなおすために設立された団体です。なぜ同性カップルの結婚式に取り組むのか。THE MATIRTHA SUITE総支配人・早川誠さんにインタビューしました。

―この活動を始めたきっかけは何ですか。

「ホテルや式場が独自に作っていた新型コロナウイルス感染症防止ガイドラインを統一したものにしよう、と集まったのがきっかけです。その後、同性カップルの対応をする勉強会を行いました」

―どのような活動をされてきましたか。

「性的マイノリティ当事者の方にモデルになってもらい、メイクや着付けにおいてどのような配慮が求められるのか、考えています。どこを触られたくないとか、既存の服をどのように作り変えるのかとか。実際に聞いてみなければわからないことばかりです」

―学生に伝えたいことはありますか。

「結婚式は『大切な人と生涯を共にする誓いの時間』。守るべき文化でもあります。性的マイノリティに限らず、多様な人々が望む結婚式を作っていきたい。性的マイノリティに関しては、彼らの大変さを他人事だと思わずに、自分自身や周りの人の問題だ、と考えてみてほしいです。」

(「NPO法人北九州ブライダル協会」 5日筆者撮影)

 

こうした問題は自分に関係のないことだ、と思っている人も少なくないでしょう。実際に、自分や友人、家族、親戚が性的マイノリティでなければ他人事と考えてしまう気持ちもわかります。しかし、将来生まれてくる子どもたちはどうでしょうか。今年のテーマは「未来の全ての子どもたちのために」。子どもがカミングアウトしたとき、受け止めてあげることはできますか。

これまで同性婚法制化をはじめ、性的マイノリティ関連の記事を何本か投稿しました。日常生活の中で、この発言に問題はないか、他人の性の在り方を決めつけていないか、を意識する機会が増えてきました。きっと、こうした変化は性的マイノリティに関わらず、誰もが生きやすい社会に繋がっていくのだと思います。

愛する人と愛を誓いたい、という思いを叶えるため奮闘する北九州ブライダル協会の皆さんは、非常にかっこよかったです。このような活動が社会全体のあらゆる産業に広まれば、誰もが生きやすい社会につながるはずです。従来の様式にとどまらない個性的なウェディング・スタイルから目が離せません。インタビューに答えてくださった早川誠さん、ありがとうございました。

 

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参考記事:

・3日付 朝日新聞デジタル 4、5日にLGBT啓発イベント スタッフTシャツは学生がデザイン [福岡県]:朝日新聞デジタル (asahi.com)

 

参考資料:

九州レインボープライド KYUSYU RAINBOW PRIDE (9rp.biz)

NPO法人北九州ブライダル協会|幸せな人生の結婚を学び、考えるNPO法人 (kitakyushu-bridal.jp)