就活 離職を見据え、保つ繋がり

6月1日、遂に2024年に卒業予定の大学生・大学院生の採用選考が解禁しました。その一方で、内定率は既に7割を超えていると言います。かくいう筆者もそろそろ就職活動を終えようとしており、周りの友人も大半が就活は終わっている印象です。その後の選考にも影響するインターンの募集が既に始まっていることから、6月を現在の3年生つまり25年卒の就活解禁月と呼ぶ声もあり、ルールの形骸化は一層進んでいます。

就活が終わった友人と話をしていると、希望通りの進路に進めた人からも「この会社に就職して良いのか」という悩みを聞くことがあります。就職先に対する不安を抱えたその状態は「内定ブルー」と言われます。筆者も就活を通じてその言葉の意味がよくわかりました。星の数ほどある会社すべてを見ることはできませんし、その仕事が自分に合っているかどうかも分かりません。就活生は、その選択肢の多さが故に、他にあり得たかもしれない将来を想像し、悩んでしまうのです。

 

 

上記のグラフは、過去10年の大卒・大学院卒の入社3年以内の離職率と、大卒以上の求人倍率を比較したものです。求人倍率の方は、09年から11年頃にかけて大きく下がっているのに対し、離職率は3割ほどとあまり変わっておらず、就職が難しくなったにも関わらず離職者は一定数いることが分かります。もちろん、離職率や求人倍率は業界によって変わるうえ、より自分に合った企業に移る前向きな転職も含まれるので一概には言えませんが、ミスマッチによる離職を防ぐのは難しいようです。

そんな離職後に目を向けている企業の取り組みが、2日の日経新聞に紹介されていました。三菱UFJ信託銀行や三井化学では、内定辞退者と卒業後もつながり続けることで、将来の中途入社の選択肢になるよう図っています。今の学生は複数の内定を得た後に悩むこともあります。そんな学生が「内定ブルー」の懸念通り数年で辞めることになってしまっても、次の選択肢が用意されていることは、就活生の身からすると嬉しくあります。勿論、売り手市場で人材が不足している中、一度選考して能力が分かっている人材との接触を続けることは、企業にも大きなメリットがあるのでしょう。

終身雇用が当然だった時代は終わり、今後は転職を経て自分に合った仕事を選ぶ傾向が強まることが予想されます。少子化が進み人材不足が確実視される日本社会。企業の採用活動にも「人脈」が求められるようになるかもしれません。

 

参考紙面:

・2日付 新卒選考解禁、内定はや7割超 企業は辞退者にも接触 – 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

参考資料:

ワークス大卒求人倍率調査(2024年卒) (works-i.com)

・厚生労働省 新規学卒者就職率と就職後3年以内離職率(000845304.pdf (mhlw.go.jp)