【フィギュアスケート】けがをしても戦い続ける精神力

4月13日から世界フィギュアスケート国別対抗戦が開催されました。出場できるのは世界ランキング上位6カ国のみです。日本は惜しくも米国と韓国に敗れ、2021年大会と同じく3位にとどまりました。米国はアイスダンスやペアで、韓国はシングルで強さを見せ、日本はそれに続く形となりました。とくに初出場ながらも2位の好成績を残した韓国の躍進が際立ちました。

 

今回、日本チームでは宇野昌磨選手が欠場しました。3月の世界選手権の公式練習中で着地に失敗し、右足首の靭帯と軟骨を傷めたためです。世界選手権では圧巻の演技を見せ連覇を果たしましたが、足にかなりの負担をかけたことから国別対抗戦は見送りました。

 

フィギュアスケート選手、いやスポーツ選手にとって、けがはつきものです。筆者もフィギュアスケートを習っていますが、6年前にジャンプをした際に膝から落ち、半月板損傷と診断されてしまいました。全治2ヶ月です。その間は滑ることはもってのほか。運動もできないのでウズウズする毎日でした。同期生たちに置いていかれないかと不安な日々が続きました。リンクに行ってみんなが滑っているところを見たりしていましたが、焦燥感が募るばかりでした。

 

2ヶ月が経って全快したといっても、すぐにジャンプやスピンができるわけはありません。ずっと膝を固定していたこともあり、違和感から膝を曲げきることができないのです。1番苦戦したのがシットスピンでした。膝を曲げて太ももとリンクが平行な状態で回転する技術で、その要素が満たされていないと評価してもらえません。氷の上に立つ前にストレッチから始めました。

 

【筆者撮影】シットスピン

 

週5のペースで練習に行っていただけに、2、3ヶ月後のリンクは不安でしかありませんでした。ほぼ毎日滑っていた氷の上でも、また慣れるようになるまで時間がかかります。辞めたくなってしまう時もありました。それでも以前のようなジャンプやスピンができるようになりたいという熱い思いで練習したことで成果は見えてきます。それがモチベーションになりました。

 

私の限られた経験の上での話ですが、超一流の宇野選手をはじめとしてフィギュアスケート選手に共通するものではないでしょうか。不安や焦りと戦いながらも、「今まで通りのスケーティングがしたい」「次の試合には出場して好成績を残したい」、そんな心との戦いを勝ち抜いてきた人が国別対抗戦のような大きな試合に出場できているのだと思います。

 

今シーズンは終了しました。来シーズンも日本人選手の熱い戦いに注目していきます。

 

参考文献

・朝日新聞デジタル、「宇野が欠場 フィギュア」、2023年4月11日、

https://digital.asahi.com/articles/DA3S15607648.html?iref=pc_ss_date_article

・テレビ朝日、「世界フィギュアスケート国別対抗戦」、2023年4月19日取得、

https://www.tv-asahi.co.jp/figure-wtt2023/

・朝日新聞デジタル、「【写真まとめ】日本は3位 フィギュアスケート世界国別対抗戦」、2023年4月15日、

https://digital.asahi.com/articles/ASR4H73F3R4HUQIP060.html?iref=pc_ss_date_article