万博に向けて変わる大阪市、市内全域で路上禁煙へ

 

2025年の大阪・関西万博に向け、大阪市が市内全域で路上禁煙を実施する方針を固めたと3月2日付の各紙が報じました。松井一郎市長は記者団の取材に対し、「受動喫煙を止めるのが世界の潮流だ」と指摘し、「万博の開催地として世界から認められる都市を目指したい」と語ったといいます。

朝日新聞の記事によると、大阪市は「07年、市内の一部地区で路上喫煙を禁止する条例を施行。22年3月時点で、JR大阪駅周辺や市中心部の御堂筋(約4キロ)など6地域を禁煙エリアとし、違反者には1千円の過料を科している。その他の地域では路上禁煙を努力義務としている」。今後は違反者により厳しい罰則を設けることを検討する一方、喫煙所を設置して喫煙者にも配慮していくそうです。

ネット上では今回の路上禁煙について好意的なコメントが多く見受けられ。全国に広がってほしい良策だとたたえる声もありました。

令和2年度に千葉市が実施した意識調査では、受動喫煙にあったときに81.9%が「迷惑に思った」と回答しています。その際の行動では、61.5%が「自分が席や場所を移動」し、15%は「以後、その場所は利用しないようにした」とも。多くの人が煙草の煙を嫌がっていることが伺えます。また、なぜ周囲が紫煙から逃れる配慮をしなくてはいけないのだろうと疑問も覚えます。全域禁煙はそうした市民の意識が反映された結果でしょう。

かくいう筆者も大阪市の方針には全面的に賛成します。喘息持ちの弟を近くで見ていきたので、人が集まる場所でスパスパ煙草を吸っている人がいると、子供をはじめとする周りの人に影響はないかひやひやしていました。一方で松井市長の言う通り喫煙者にも配慮しなくてはいけないとも思います。

大阪市を見習って全域での路上禁煙を実施する自治体がこれから増えることになるでしょう。大阪市の試みを良いお手本として広げるためにも、万博向けパフォーマンスに終わらせず、喫煙者・非喫煙者どちらもが暮らしやすいような街づくりに取り組んでほしいものです。

 

参考記事:

3月2日朝日新聞オンライン「万博開催に向け、大阪市内全域で路上禁煙へ 違反の場合、罰則も検討

 

参考資料:

千葉市令和2年度受動喫煙に関するアンケート調査結果