学生、どれほど支えればよい?

「大学生がいれば世の中って案外回るんじゃ…」、そう思う時がある。

もちろん、それは大人の支えがあってこそかもしれないが、どこでご飯を食べようがどこで服を買おうが、とにかく従業員にはアルバイトが多い。

学生は働けばお金が貰えるし、そこで人間関係を広げ、社会経験を積むこともできる。雇用主も人手の確保ができ、正社員よりも人件費を抑えられる。どちらにとってもウィンウィンの関係だ。

このように良い面もあるが、全ての職場がそうではない。実際、私もブラック極まりなく法に触れているのではないかと思いアルバイトを辞めたことがある。さすがにこんなものばかりではないが、「低賃金で学生を働かせてガッポリ」なんてところはざらにあるのだろう。昨今では「ブラック企業」ならぬ「ブラックバイト」と言われることもある。

「大学は最後のモラトリアムだ」、「大学生はひま」なんてことを良く耳にする。大学生になってみると、毎日なかなか忙しいと感じるのが本音だ。授業、課題、就活、バイト、サークル、人間付き合い…、こう考えると濃い4年間だなぁと感じる。

学生でいることの最大のメリットは学内外でたくさんの経験ができることだ。お金をゲットすることが一番の目的であっても、アルバイトではテーマパーク、アパレル、喫茶店などなど、飛び込んでみたい世界へと行くことができる。そのほかにも、NPOなどのボランティア団体で活動したり、学生団体を立ち上げたりする学生もいる。

学生も運営していく団体では、どんなにタスクがあろうとも学業のかたわらでやるべきということだ。どんなに規模が大きくてタスクも多くても、学生は企業で働く社員ではないし、そうなってはいけない。自分の生活を充実させるために入ったのに、実は全体が回るように社畜のごとくフル稼働しているなんてことはないだろうか。企業には労働組合がある、上司がいる、そして何年も同じ人々で働く。学生主体のところではそれらはほとんどなく、メンバーも1年ごとに入れ替わる。反省点があっても、それが活かしづらい。

卒業する頃には「あの時は大変だったなぁ」と笑って話せるようになるのか。いや、話せたとしても、だから別にそれで良いなんてことはない。だが、学業と両立できない大変さであっても、もともとは自分がやりたくて始めたことにも変わりはない。そこが難しくはあるが、時にブラック企業のような構造になりかねないということを私たち学生は知らなければならないだろう。

 

参考記事:

朝日新聞デジタル20日付「失業給付の雇用保険料、来年秋まで据え置きへ 政府・与党が調整」