開店時間の12時前。中央大学の生協前には長蛇の列ができている。お目当ては100円弁当だ。早めにきて様子を見てみると、30分前から並び始めている人もいた。この企画は11月から始まったもので、学部生の健康を食の面から支援したいということで実施されている。
コロナ禍で学生支援のための100円弁当販売は、全国の大学で行われている。アルバイト先が休業したり、シフトを入れてもらえなかったり、多くの学生が収入源で苦労した。筆者も昨年はアルバイト先が時短営業をしていたため、アルバイト代が減り困るという経験をした。飲食店の営業制限が緩和された今でも、先行きの不透明さから未だ十分にアルバイトができていない学生もいる。たった100円でお腹いっぱいになることができるのは大変ありがたい。
また、筆者の通う中央大学多摩キャンパスの周りには、地方から上京してきて1人暮らしをしている学生がとても多い。何かと偏りがちな食生活、栄養バランスの取れた食事を大学で採ることができる。メニューは週替わり。筆者が購入した日は、パンが2つにエビフライ、キッシュにチキン、サラダとボリュームたっぷりの内容だった。
また、中大生協では100円の食品・飲料セットの販売も行っている。中身は簡単に調理できるご飯やスープなどのレトルト食品にお菓子、飲み物がついている。保存もでき、勉強のお供にもなる、学生思いの詰め合わせだ。生協の職員の方に話を聞くと、「弁当は5分、食品セットは15分くらいで売り切れる」そう。学生からの反響を感じているという。
食品セットの方は日替わりで中身が変わる。「11月に始まってから、1日たりとも同じ内容のものはないよ」と職員の方は話してくれた。月曜日に買いに来た学生はまた月曜に買いに来る可能性が高いため、曜日でも似たような中身にならないようにしているそう。買いに来てくれる学生さんが、飽きないようにと組み合わせを考えてくれている。「コロナが収まったら、また生協にたくさん来てください」とのこと。
期間は年末までを予定しているが、年が開けてからも授業のある日は数日提供するかもしれないという。弁当も食品セットも、父母連絡会と生協の職員さんたちの思いやりが詰まったもの。感謝の気持ちでいただきたい。
参考記事:
2020年12月22日付読売新聞オンライン 「生活困窮学生、大学が支援…100円弁当、年越しセット」
https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20201222-OYO1T50029/