Yahoo!ニュース コメント欄は必要なのか

 

宮内庁が秋篠宮家長女の眞子さま(29)の結婚予定と、過去にPTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断されていたことを明らかにしてから数日。購読している新聞を読み返してみると「幸せに暮らしてほしい」といった街の声が紹介されています。筆者もこのニュースを知った時、「やっと結婚までたどり着けたのか。おめでたいな」と素直に発表を喜びました。

一方で喜ばしいことばかりではありません。あらたにすの投稿にもあったように行き過ぎた報道を問題視する声が上がりました。記事を執筆した髙尾さんがおっしゃる通り、筆者も外見や風貌を必要以上に取り上げる一部メディアには違和感を覚えます。

容姿を取り沙汰する報道とは別に筆者が最も問題だと感じたのはYahoo!ニュースのコメント欄です。2日、Yahoo!が「ユーザーのみなさまへのお願い ―コメントの投稿にあたって―」という呼びかけを発表しました。発表文には、以下のようなことが書かれています。

10月1日、Yahoo!ニュース コメント投稿数が急増しました。その中には、不適切な内容も散見されたため、記事ページやコメント欄などに注意書きを追加し、ユーザーのみなさまへのご協力をお願いするとともに、パトロールを強化しています。(中略)ユーザーのみなさまに改めてお願いです。いま一度、コメントポリシーをご一読いただき、過度な批判、攻撃的な投稿はお控えください。苛烈、乱暴な言葉づかいがないか、行き過ぎた批判ではないかについて投稿前にご確認いただき、穏当な言葉づかいを心がけていただくなどのご協力をお願いします。

10月1日に急増したというだけでどの記事を指しているのかは明言していません。しかし結婚の報道を受けてから、Twitter上では「Yahoo!ニュースのコメント欄が地獄」「コメント機能をなくしたほうがいい」といった声が散見されました。実際に名古屋テレビ放送の記事には10月5日現在9982件ものコメントが付いており、「誰一人お祝いしてませんよ。」「同時にPTSD発症って、ナニカの前フリ?会見しない理由?」「税金返せクソ女。強盗とやってること一緒じゃねえか」といった心ないものがいくつもありました。

正直なところ、筆者はコメントを読み気分が悪くなりました。匿名だからといって相手のことを考えず、自分の言いたいことを書き散らしていいものなのでしょうか。こうしたメッセージを受け取った相手がどういう反応をするかは、小学校の道徳の授業で習ったことがあるのでは?ネットリテラシーのなさに呆れてしまいます。

話をYahoo!の呼びかけに戻します。発表は「今回、コメント投稿数が急増したことを受け、コメント欄をご利用の際に必ず目に留まるよう、記事ページやコメント欄の上部など目立つ場所に注意書きを掲出しています。」と続いていました。しかし、実際の記事に付された注意書きを見てみると全く目立たず、効果を発揮しているようには思えませんでした。そもそも呼びかけだけでコメントの質が改善するのでしょうか。

コメント入力の前に注意書きがある 5日携帯でスクリーンショット

 

コメント欄は読者同士の情報・意見交換の場として重要な役割を果たしています。マスコミが行き過ぎた報道をした時、問題提起をする場としても有効です。しかし、「言葉は刃物だ」という言葉があるように、使いかたを間違えると相手を傷つけてしまいます。Yahoo!にはコメント欄の存続がもたらすメリットとデメリットを比較考量して、万人にとって何が良いのかもう一度考えてほしいです。

 

参考記事:

10月2日朝日新聞デジタル版「眞子さまに祝福と気遣い 「結婚の自由、尊重されるべきだ」「幸せに暮らして」街の声

 

参考資料:

10月1日メ~テレ「眞子さま結婚正式発表「とやかく言われてかわいそう」「結局、決めるのは2人」 街の人からは祝福の声

Yahoo!「ユーザーのみなさまへのお願い ―コメントの投稿にあたって―」