加熱する小室圭さん報道 メディアの今を憂う

秋篠宮家の長女眞子さまと、近く結婚する小室圭さんに関する報道が活発になっています。関係者によれば、お2人は早ければ10月にも自治体に婚姻届を出した後、米国で新生活を始められる見通しのようです。結婚に強く反対する人、皇族の結婚の自由を認めるべきだとして祝福する人、そして眞子さまの決断を心配する人、様々な国民の声が、ニュースなどで日々取り上げられています。皇族の恋愛に対する論議が高まるのは結構なことです。

 ただ、日々、小室さんに対する報道の中には憂慮すべき点が少なくありません。とりわけ、髪型や容姿を必要以上に取り上げる一部メディアの風潮はいかがなものでしょうか。

 例えば、あるテレビは「長髪をポニーテール結び 帰国直前の小室圭さんニューヨークで直撃 眞子さまとの新生活どうなる?」という見出しで、小室さんの顔写真を8枚ほど掲載。顔や髪型がどのように変化したか、一目で分かるようにしています。また、ある情報番組の出演者は小室さんの髪型をみて、「この髪型だって、笑かしにきてるみたいな感じしません?なんかのネタなのか、ギャグなのかみたいな」と発言しました。

 小室さんに関する報道に苦言を呈する人もいます。タレントのスマイリーキクチさんは自身のツイッターで、小室さんの長髪姿を取り上げた記事を引用したうえで、「メディアもネットも、この人は叩いてもいいと決めつけると集団で吊るし上げる。批判する人たちは『叩かれる理由がある』と開き直る。一億総いじめっ子時代か...」とつぶやいています。

 髪型には人それぞれの好みもあれば、事情もあります。小室さん本人が何も説明していないにも関わらず、寄ってたかって袋叩きにすることは間違いであると考えます。そして、「私人」である小室さんの顔や髪型をメディアが長々と報道するのは見ていて気持ちの良いものではありません。視聴率狙い、記事のクリック数狙いで、人権を無視し、国民を煽るならば、そうしたメディアは社会の「公器」としての役割をもう終えてしまっているのかもしれません。

参考記事:

27日付 読売新聞夕刊(東京4版)11面 「小室さん 午後帰国」