アイドルの「恋愛禁止」なぜ必要?

読者の皆さんは17歳のころ、どのような生活を送っていましたか。あるいは、現在17歳の方はどのような日々を送っていますか。友人関係や勉強、部活に恋愛。青春時代には欠かせないと思います。筆者も高校生の頃は、恋をしていました。自分を支えてくれる人の存在の大きさやありがたみ。交際が長く続いても続かなくても、誰かとお付き合いをすることは学ぶことも大きいと思います。さまざまな感情を抱くことも経験できるでしょう。

今朝の新聞記事で驚いたニュースを見つけました。異性との交際を禁止した規約に違反したとして、東京都内の芸能事務所などが、所属するアイドルグループの元メンバーの少女(17)と親に、計約510万円の損害賠償を求めていました。そして18日、東京地裁は少女のみに約65万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。判決によると、少女は事務所側と契約した際、「男友達と2人で遊ぶこと、写真を撮ることは一切禁止」などとする規約を伝えられていたそうです。しかし、デビュー数カ月後に男性との交際が発覚し、事務所はグループを解散させました。

訴訟で少女側は「交際しないことがアイドルに不可欠な要素ではない」と主張しましたが、判決は「アイドルである以上、男性ファンからの支持獲得には交際を禁止する条項が必要だ」と指摘しました。労働契約に詳しい谷原誠弁護士は「交際が評価を下げると証明されているわけではなく、判決は解散が合理的だったのかをもっと検討すべきだった」と指摘しています。

記事からは、少女がどのように男性と交際していたのかは分かりません。アイドルにとって「交際禁止」のルールは必要なのでしょうか。たしかに男性ファンから見ると、自分が応援しているアイドルが他の異性と交際していたら不快に思うかもしれません。ですがこの少女のようにさまざまな出会いがある17歳という年齢で、恋愛を禁止するルールを押し付けるのは適切ではないようにも思います。

アイドルという職業を選択する以上、プライベートの面である程度の不自由が出てくるのは仕方がないでしょう。少女にプロ意識が足りなかったという指摘もあるかもしれません。大切なことは、アイドルとしても一人の人間としても、その人自身が魅力的になっていくことをファンも応援することではないかと考えます。

参考記事:

9月18日付朝日新聞朝刊(大阪14版)39面(社会)「交際発覚アイドルに賠償命令 東京地裁『イメージ悪化。禁止は必要』」

 

同日付読売新聞朝刊(大阪14版)29面(社会)「男性ファン獲得に『恋愛禁止』必要 元アイドルに賠償命令」