コロナに振り回された2020 後編

来年は少しでも穏やかに過ごせる年になりますように。

今年最後の診察にいらっしゃった患者の方にかけられた言葉です。今日は、大みそか。2020年がひっそり終わろうとしています。「コロナに振り回された2020」と題した記事も今日で最終回です。

第1回では1月から3月を。第2回では緊急事態宣言下の4月から5月を振り返りました。最終回では、その後の暮らしとなります。なぜ、最終回が7か月間というバランスの悪い分け方なのか。これもひとえに暮らしぶりがあまり変わらなかったからです。

緊急事態宣言が解除され、在宅勤務の回数が減る、またはなくなるなど働き方に変化があった方は多いことでしょう。小学生、中学生、高校生も登校できるようになりました。一方で、多くの大学生はオンライン授業の形態が続き、キャンパスに足を運ばず学期を終えたことと思います。

筆者も例外ではありません。前期はもちろんのこと、後期に関してもほとんど大学に行くことはありませんでした。夏休みが終わった当初は対面で行っていたゼミも、感染再拡大を受け、11月にはオンラインに移行してしまったからです。4年生ということもあり、コロナ禍ではなくてもキャンパスに行く回数はぐっと減っていたと思います。しかし、登校回数が10回に満たない状況は予想をしていませんでした。

内定式で同期と顔合わせすることも、サークルの同期全員で集まることも、卒業旅行に海外へ行くことも、出来なかった1年でした。やりたくても出来なかったことをあげるときりがありません。しかし、家にいた分家族とゆっくり過ごすことが、友人と2人で会ってじっくり話すことが、家での息抜きの方法を見つけることが出来ました。コロナ禍でなければ、ただただ慌ただしい毎日を駆け足で送っていたのかもしれません。出来なかったことがあった分、得たものもあった1年でした。

とはいうものの。ウィズコロナの毎日には慣れません。慣れてもいけません。緊急事態宣言解除後も、出掛ける回数や複数人で会うことは極力減らし、外出時はマスク・アルコール除菌グッズを必ず持ち歩き、帰宅時は手洗い・うがい、スマホを除菌シートで拭くなど、基本的な予防策を行ってきました。このように予防策を徹底することしか、自分に出来ることはないと思ったからです。時折、マスクを外して、友達と密になって話し込んだ毎日が無性に懐かしくなります。それでも、そのような日が1日でもはやく訪れるために今は我慢しなければなりません。

今年は、本当に大変な1年でした。オリンピックが延期となり、観光地からは大勢の外国人の姿が消えました。マスク姿が当たり前となり、入店時にアルコール除菌・検温をすることが日常となりました。去年の今頃は考えられない風景で街は溢れています。来年はどのような1年になるのでしょう。これもまた予想がつきません。少しでも、穏やかな1年となるように。そう願って、静かに年末年始を過ごそうと思います。

読者の皆さま。今年も本当にありがとうございました。

よいお年をお迎えください。2021年もあらたにすをよろしくお願いいたします。

参考記事

日本経済新聞・読売新聞・朝日新聞  新型コロナウイルス関連記事