徹底分析!日本人の「理想的なクリスマス像」とは何か

クリスマスの時期が近くなってきました。街中を歩けばクリスマスソングが流れ、色鮮やかなイルミネーションが街に灯り、誰しもが心躍る季節になりました。コロナがあっても変わりません。

♪ 雨は夜更け過ぎに 雪へと変わるだろう・・・

このフレーズにピンと来る人も多いのではないでしょうか。山下達郎さんの「クリスマス・イブ」の一節です。1988年12月にJR東海が、夜の新幹線ホームで遠距離恋愛の恋人がクリスマスに再会を果たすというストーリーのCMを放映。その感動的なシーンと山下達郎さんの優しい歌声がマッチし、大きな話題を呼びました。

「クリスマスソング」といっても思い浮かべる曲は人それぞれでしょう。では、日本人に受け入れられているクリスマスソングには、どのような特徴があるのでしょうか。邦楽(翻訳された洋楽も含める)に注目し、定番ソング24曲の歌詞を分析してみました。繰り返されているフレーズ、擬音語などは削除しました(例えば、ジングルベルジングルベル・・・など)。

 

対象のクリスマスソング/V.A.は「様々なアーティストたち」という意味

 

頻出語上位150語の一覧/筆者作

頻出語の第1位は「雪」という結果になりました。そして、時間帯は「今」「夜」で、場所は「街」を指しているのでしょうか。登場人物に注目すると、「見る」「幸せ」「笑顔」「思う」などの描写がなされています。では語と語の関連性、共起性はどうでしょうか。グラフにしてみました。

 

歌詞に出てくる語と語の共起ネットワーク図/図が粗くて申し訳ございません/筆者作

この図は頻出語の上位25個を取り上げて、関連性の強い語同士が線で結ばれています。色別で追っていくと、何となくストーリーが見えてきます。先ほどの頻出語リストを参考に紐解いていきます。

背景として、時間帯は真っ白な雪が降る夜です。場所はサンタクロースが来るであろう街。登場人物は思い思いに過ごしています。ある事について考え、誰かに頼んでいる人。いつまでも手をつないで見守る人。夢や空を見ている人。会いたいと思っている人。心情はさまざまです。今幸せを抱きしめている一方、恋を忘れようともしています。受け入れられているクリスマスソングには、このような情景が好まれているようです。

ありきたりな描写かもしれませんが、これが日本の理想的なクリスマスだと思います。これを機にクリスマスソングを聴いてみるのも良いでしょう。これからの人生に寄り添ってくれる1曲が見つかるかもしれません。

参考記事:

19日付 朝日新聞朝刊 be on Saturday11版2面「『クリスマス・イブ』永遠の輝き」