人手不足のコンビニ  改革の行方は

「スタッフ急募!!」「スタッフ大募集!!」
地元のコンビニは、3枚も手書きのポスターを貼っていました。人手不足が深刻なようです。

年中無休。全国どこでも24時間営業。私たちは、当たり前のようにこの日常を受け入れてきました。コンビニにとどまらず、スーパーやデパートも年中無休で営業する店が増えたように感じます。

いつ外に出ても手にとってものが買える。これは、深夜に利用する、しないに限らず、「便利」という絶対的な安心感を与えてくれるものです。宿泊するホテルや新居を選ぶときも、コンビニが近くにあるかチェックする人は少なくないでしょう。しかし、労働人口が減るなかで維持することが難しいのが現実。ビジネスモデルを変えるときが迫っています。

今回のコンビニ改革は、加盟店オーナーが営業時間の短縮に踏み切り、本部と対立したことをきっかけに始まりました。現場から上がる悲鳴が、代名詞であった「24時間営業」を手放させるまでになった現実を本部は重く受け止めるべきです。コンビニが生き残るにはどうすべきか。今後は個々の店任せではなく、経営陣が先陣をきって改革に取り組まなければなりません。

一利用者としては、今の時代、「いつでも買える」というよりも「どこでもお手頃に上質なものが買える」ことに「便利さ」を感じる人が多くなっているのではないかと感じています。昨年日経MJヒット商品番付にランクインしたローソンのバスク風チーズケーキ「バスチー」も215円と安いわけではありません。しかし、本格的な味を手軽に味わうニーズを掘り起こしました。時間とは違うところに勝機を見出せた今こそ、大きな改革に踏み切っても良いのではないでしょうか。

24時間営業をやめると、深夜、無人になった店舗の防犯対策を強化しなければならないなど、課題は山積みです。しかし、人手が足りない今、「いつでも」ではないところに付加価値をつけることが求められます。本部がどう営業時間の在り方と向き合い、蓄積した技術や経験を駆使して問題に対処していくのか。しっかりと見届けようと思います。

参考記事
8日付 朝日新聞(13版) 14面 社説「コンビニ改革 脱・一律へ動き加速を」