大阪の実寸大の昔の町から考える 歴史を体験することとは

前回(沖縄返還の特集番組から考える)→allatanys.jp/blogs/30021/

前回は、沖縄の歴史をVRで体験するNHKの過去の番組から、体験で生じる興味の重要性や、私自身がその番組で感じたことお伝えしました。

 

今回は、歴史をさかのぼり江戸時代について考えます。

日本には当時の社会について体験を通して考えられる施設が多くの場所にあります。東京だけでも江戸東京博物館、江戸東京たてもの園、深川江戸資料館があり、その他にも京都の東映太秦映画村や、栃木のEDO WONDERLAMD 日光江戸村など、屋外屋内を問わずいくつも挙げることができます。

私が住む大阪の施設として、大阪市立住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」を訪れました。ここでは江戸時代の家並みがワンフロア全体を使って再現されています。町家の各所には町人姿のガイドもいて、その時代の大阪の雰囲気を感じられます。

それぞれの町家には、どんな人が住んでいるのか、何が営まれていたのか、建物の構造まで、ガイドの方に教えてもらうことができるうえ、実際に家へ上がることもできます。筆者も2時間近くお話を伺いました。大阪の商家は、みんなに来てもらうことや見てもらうことを重視した構造になっており、「人と話すことを楽しんでいた」と知りました。これは今につながる上方の人情深さの表れではないかと考えます。

  

(3月5日筆者撮影 大阪市立くらしのミュージアム「大阪くらしの今昔館」 なにわ町家の歳時記展示において)

 

それ以外の時代を学べる展示もあります。ストーリー仕立てで模型を通して生活ぶりを知ることができ、それなりの没入感も得られました。戦後の生活の中心にあったのは団地で、ここでは1956年の古市中団地の模型が展示されていました。モデル的な住宅団地として大きな注目を集め、ヨーロッパ式の街づくりが参考にされたことも紹介されていました。

(5月10日筆者撮影 大阪市立くらしのミュージアム「大阪くらしの今昔館」 古市中団地の展示において)

戦後復興のなかで生活が向上し続けたという表現も印象的でした。高度経済成長期とベビーブームの中で、社会が経済的な盛り上がりを見せていた証でしょう。大阪という大都市を通じて、日本全体の発展の様子を確認できる面白い展示です。

実寸大の建物ゾーンと比べると、そこまで見学者への訴求度は高くないかもしれません。ですが、資料や年表ばかりで堅くなってしまうよりも、興味を持ちやすいのではないかと考えます。

 

この展示を見た筆者は、大阪以外の地域にある歴史体験施設に足を運んでみたいと感じました。その土地ならではの街のつくり、発展や復興の速度があると考えます。これらの歴史を分かりやすい形で楽しみ、そして色々教えてもらおうと思います。

 

再現された昔の町家での実体験から、前回取り上げたVRのような最先端の技術を用い映像まで、興味を持って学ぶ方法はたくさんあります。形式はさまざまですが、『歴史体験』はよりその時代のことを考えるきっかけになることでしょう。

 

参考資料

大阪市立住まいのミュージアム 大阪くらしの今昔館

https://www.osaka-angenet.jp/konjyakukan/