「就活なう!」第1回―韓国

海外就活事情第1回目は韓国です。皆さんは、韓国の就活事情についてどの程度ご存知でしょうか? 隣国なので就活の傾向も似ていると思う人もいるかもしれませんし、韓国の熾烈な受験競争のように就活も非常に競争が激しく、日本とは比べ物にならないと思う人もいるかもしれませんね。編集長が韓国の大学生にインタビューし、韓国の就活事情を聞きました。インタビューに応じてくれたのは、韓国のカトリック大学校で環境工学を専攻するジョン・ハスンさんです。

まず、簡単に韓国の情報を紹介します。

  • 人口5000万人、国土面積は日本の4分の1
  • 就職率(2011年度):58.6%
  • 大学進学率(2011年):72.5%

韓国の大学生が就職活動をはじめるのは、4年生になってから。そして、就活のプロセスは日本とほとんど同じだそうです。日本でいうES(エントリー・シート)を企業に提出し、その後にテストを受験、それを通過したら面接、という流れです。面接では、グループ・ディスカッションやプレゼンテーションなどで合否が判断されるといい、ほとんど日本と同じですね。

韓国の大学生に人気のある就職先はどんなところ? と聞いてみました。「学生はサムスン、LGなどの財閥系企業、もしくは安定のために公務員というのが実情」とジョンさん。このあたりも、日本と同じような傾向のようです。そして、「多くの大学生が大企業を志望するため、競争率は非常に高く、その一方で中小企業は慢性的に人材不足に陥っている」とも。

ジョンさんには、日本の就職事情に関してどのような印象を抱いているかについても聞いてみました。「日本と韓国の就職事情は非常に似ていると思う。まず、韓国でも新卒が非常に重視される。そのため、多くの学生が小学生の頃より勉強に励むことが奨励される。英語に関しても同様で、韓国の就職活動でもTOEICは非常に重視される重要な指標になっている。大体スコア900点が大企業に就職するための基本スコアとされている」という答えでした。このくらいのスコアがなければ、サムスン、LGを受験する学生たちとの競争には勝てないようです。

韓国の就職活動についてジョンさんが考える問題点についても聞くと、(1)新卒偏重のため、多くの大学生が大学入学と同時に、就職活動のことを念頭に置き準備することを迫られ、自分のキャリアについてゆっくり考える時間を持てない、(2)激化する就職活動に対応するため、大学の授業から教養科目が消え、就職活動に直結するような科目が増えている、の2点を挙げました。大学の本来の機能が失われつつあるとの危惧です。そして、TOEICなどのテスト英語に対応するあまり、多くの韓国人学生は「話せない」、「書けない」という状態に陥っているようだとも言います。そのため、実際の仕事では役に立たない死んだ英語になってしまっているとの指摘で今後、韓国の就職活動の状況を改善するためにはインターンシップが有効だとジョンさんは考えており、実際に企業でも徐々にインターンシップを経てから採用する方針を取る企業が増えつつある、とも話してくれました。

韓国の就職活動に関するインタビューを終えて振り返ってみると、就職活動の大まかな流れ、新卒偏重など、日本との類似点が多く見られました。皆さんは、今回の韓国の大学生の就職活動を読んでみて、何を思ったでしょうか? この記事に関する学生の皆さんのご意見、ご感想をお待ちしております。また、韓国の就活事情は今後インタビューを重ね、加筆していく予定です。こんなことも知りたい、取材してほしい、ということも是非!

【インタビューイ:ジョン・ハスン(カトリック大学校)】

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ソウルで開かれた就職面接会。若者が企業のブースに列をつくった=2009年8月、朝日新聞社提供

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