タブー視してきた性暴力 子どもを守るためには

12月2日から6日にかけて、朝日新聞である連載が組まれました。

『子どもへの性暴力』

今までタブー視されてきた話題に目を向け、現実を知ることが問題の予防や対策の第一歩になるのではないか。その思いから始まったものだといいます。

筆者が大学で受講する「ジェンダーと法」でも取り上げられたこの連載。子どもの弱さにつけこんだ加害行為に胸が痛みました。今朝も、「教師による生徒へのわいせつ行為やセクハラが絶えない」と記事で取り上げられています。逮捕された元教師の釈明には怒りが湧いてきました。

女児の了承を得ていた。嫌がるような様子はなかった。

教師と生徒の間には、知識においても力においても対等な関係はありません。その状況での「了承」は、成立しないでしょう。元教師は、加害行為をした現実に向き合い、罪を償うべきです。

私たちは、両親・先生をはじめ大人から様々なことを教えられて育ちます。幼い頃は、「大人が言うことは絶対だ」と考えていた人も少なくないでしょう。だからこそ、被害に遭っても「誰にも言ってはダメだよ」と言われると相談ができなくなる。「嫌だ」とも言えなくなる。何も知らない子どもが、声を上げられない状況を作り出すのはそう難しくありません。

では、子どもたちを守るにはどうすればよいのでしょうか。まず取り組むべきは「触らせてはいけないこと」を伝えることです。既に、海外では子どもへの性暴力防止に向け、対策が進んでいます。イギリスの子どもの虐待防止協会(NSPCC)がHPにあげる動画では、パンツをはいた恐竜が次のように歌っています。

♪Your private parts belong only to you

If someone asks to see, just tell them “no”

かわいいアニメを使って、「見せて」「触らせて」と言われても「嫌だ」と言おうと分かりやすく教えています。

「性」をタブー視してばかりでは、子どもは問題に気付くことが出来ません。「触らせるのをはっきり断っていいんだよ」「大人が間違っていることもあるんだよ」。まずはそこから伝えるべきではないでしょうか。

参考記事
22日付 朝日新聞14版 30面(社会)「教師のセクハラ 生徒13万人調査」
2日―6日 朝日新聞 朝刊連載「子どもへの性暴力 第一部 語り始めた当事者」
2018年10月22日 朝日新聞DIGITAL「性教育、海外の事情は 日本は『井の中のかわず』」
https://www.asahi.com/articles/ASLBJ5WVJLBJUTFL00X.html

参考資料

NSPCCホームページ

https://www.nspcc.org.uk/keeping-children-safe/support-for-parents/underwear-rule/