地元の水害対策、改善の余地あり

台風19号は、東北、関東を襲い甚大な被害をもたらしました。死者・行方不明者は80人を超え、浸水などの被災家屋は2万棟以上にのぼります。今日も各社とも一面トップに台風の被害を報じています。筆者は、12日は自宅で台風が過ぎ去るのをじっと待っていましたが、大きな被害を受けることなく、次の日からはいつもと変わらない生活を送っています。

今朝の朝日新聞の社説に「経験したことのない雨にどう対処すべきか。堤防などハードの整備だけでなく、避難訓練の徹底や情報の早期周知など、ソフト面の対策を組み合わせた防災のあり方を、地元自治体を中心に練り直すべきだ」と書かれていました。

そこで筆者は、自宅のある東京都武蔵野市の防災のあり方を確認してみることにしました。まずは、避難訓練です。市民が参加できる訓練を市のホームページから探しました。地震を想定した訓練を2回。そして集中豪雨等による都市型水害に対して水防訓練を毎年1回、5月に実施していることがわかりました。この街に住んで7年間、まだ一度も防災訓練に参加したことがありません。訓練に参加すれば、災害時にパニックにならずに落ち着いて行動することができると思いますし、地域の人の顔を覚えることができると思います。東京に越してくる前は、静岡県に住んでいましたがそのときは毎年数回、地域の防災訓練に参加していました。できるだけ多くの人が参加できるように、また近年水害が多発しているということもあって、頻度を増やすべきだと思いました。

次に浸水の可能性について「武蔵野市浸水予測区域図」を見ました。これは平成12年におきた総雨量589mmの東海豪雨を想定としています。今回過去最大級と呼ばれた台風19号で被害にあった福島県では、233mmの降水量でした。一概に比較することは難しいですが、この図から私の家の近くでも1階の軒下まで水がつかる可能性のある場所が存在することを知りました。「この辺は少し高台になっているから大丈夫」と台風が接近する中、家族で話していましたが、その過信はあてになりませんでした。浸水予測区域を知ることは、早く避難所に行くという行動につながると思います。いざというときに少しでもパニックを防ぐことができると思いました。

台風19号が迫ってくる中、情報になかなかアクセスできないことがありました。それは、武蔵野市のホームページです。12日の夕方から夜にかけて、一番情報が必要なときに得ることができませんでした。これは武蔵野市に限ったことではないと思います。親戚の住む大田区のホームページを開こうとしても開くことができなかったからです。当日は、武蔵野市の公式Twitterと武蔵野市長のTwitterから情報を得ていました。今日市役所にホームページがつながりにくかったことを問い合わせたところ、「申し訳ない。SNSやFMむさしの(ラジオ)も活用してほしい」と職員は言っていました。ただ、SNSやラジオは外国人向けに対応していないところがネックだとも聞くこともできました。情報発信についてもまだまだ改善すべきところはありそうです。

近年は一昨年の九州豪雨、昨年の西日本豪雨など100年に一度といわれる災害が頻発しています。12日の夜は食料を買い込んで台風情報をこまめにチェックしていた人はたくさんいると思います。今回はたまたま台風19号の被害にあわなかった人も、水害に備えて地元の防災について少し調べてみたらどうでしょうか。まずは、避難訓練に参加するところから始めてみようと思います。

参考記事

15日付 朝日新聞朝刊(13版)12面(オピニオン)「台風19号被害 救助も被災者の支援も」