「行かなきゃ」よりも「行きたい」と思わせてくる検診って

体調が優れない日が数日続く。そんな時、あなたは病院に行きますか。それとも、とりあえず様子を見ますか。

筆者はここ半年、重度の生理痛に悩まされています。腰回りに鈍痛が走り、気怠く、起き上がるのが辛いのです。ホルモンバランスが崩れるため、イライラしたり気分が落ち込みやすくなったりするなどの精神的な問題も尽きません。

7月には、極度の腹痛と吐き気に襲われ、血の気が引いて足に力が入らず立てなくなったこともありました。「もしこのような症状が続くようなら、病院に行ったほうがいいかもしれない。」運ばれた大学の保健室で看護師さんからそう言われたものの、いまだに受診できていません。その意思はあるのですが、忙しさを理由に機会を逃し続けています。

取り返しがつかなくなる前に。そんなことはわかっているのです。でも、行くほどではないかもしれないし、症状の重い日なんて月に数日あるかないかだし。気がつくと、病院に行かなくていい理由を挙げている自分がいます。敷居が高いと感じてしまうのは私だけでしょうか。

9日の朝日新聞夕刊に、健康診断や人間ドックを受けていない人の割合が書かれていました。興味深いのが、女性はどの年代でも男性より検診の受診率が低いという調査結果(厚生労働省「国民生活基礎調査」(2016年)参照)です。とりわけ20代や30代女性で低く、4割前後が未受診というデータもあります。

そんな現状にアクションを起こそうと開催されているのが、「Ladyknows Fes2019」です。東京・渋谷で11日まで開かれており、女性が自分の健康に関心をもち検診の受診率向上につなげることを目的としています。

フェスでは、若い女性が思わず行きたくなるような、フォトジェニックで「気分がアガる」検診の空間を演出。

腸内細菌をポップに表したボールプール、女性の経血量を表す「トマト缶」の壁と、座面を生理用ナプキンで覆ったブランコ、女性の新しい生き方を切りひらいてきた先人たちの言葉に会えるブース・・・・・・。会場に入ると、インスタ映えするお洒落な小部屋が並ぶ。

フェスを主催するプロジェクト「Ladyknows」の代表である23歳女子大生は、以下のように述べています。

「健康診断は『行かなければならないもの』で、気分がアガるものではなかった。女性が行ってみたい、友達に勧めたい、発信したいと思わせる場にすることが、一つの解決策だと考えた」。

フェスに興味をもち、自身が病院を遠ざけていることを思い出した筆者は、いつ受診しようかとようやく本気で考えています。まんまとフェスの狙いにはまってしまったようです。

 

参考:

9日付 朝日新聞夕刊(東京4版)11面(社会)「気分アガる検診 行こうよ」