配達員の労働条件

ぱっと人目をひくロゴのついた緑色の大きなカバン。それを背負って自転車やバイクに乗る人は一様に携帯を見つめていて、時節操作をするとどこかに向かって走り出していく。

皆さんも街中でこのような人々を目にしたことはあるのではないでしょうか。

京都にもウーバーイーツがやってきて、約1年が経ちました。サービス開始当初は市内中心部に配達範囲が限られていましたが、徐々に広がってきています。最近では大学周辺の飲食店でも、「デリバリー対応店」のステッカーを見るようになりました。

私の周囲にも配達員として働いている人は少なくありません。自分の好きな時に仕事ができ、効率よく稼げるバイトだからです。また、登録も簡単で仕事内容も難しくなく気軽にできることも人気の要因の一つです。

配達を空き時間を有効活用したい人を集めて行う仕組みは、人手不足が問題となっている中で画期的なものだと思います。

しかし、配達員の処遇についてはまだまだ不安な部分があるようです。

3日、ウーバーイーツ配達員が労働組合を結成しました。配達員は個人事業主という立場のため、ウーバーイーツとは雇用関係にありません。そのため、配達中に負った怪我に労災保険は摘要されず、治療費は自己負担となります。

簡単で気軽な分、給料の支払元との関係性は薄くなります。そして問題が起こった時に個人では適切な対処を請求しにくくなります。

配達員の中で自らがこのような環境に置かれていたことを知っていた人は多くはないのでしょうか。特に大学生は一般的なバイトと同じ感覚で仕事をしているように感じます。

以前「ブラックバイト」が問題になりました。労働者としての自分の権利は自分で守る。そのためにもどのような条件で雇われているのか、認識をしておくことが重要だと思います。

 

参考記事:

4日付 朝日新聞朝刊(大阪14版)「雇用関係なくても「労組」」

同日付 読売新聞朝刊(大阪13版)「ウーバー配達員が労組」