ポイント還元 消費者も準備を

10月1日の消費増税に伴って、キャッシュレス決済のポイント還元制度が始まるのはご存知でしょうか。経産省が認めた中小店舗で10月から来年の6月まで、クレジットカードやQRコード決済などのキャッシュレス決済で買い物をしたときに、税込み価格の5%分(大手チェーンは2%)のポイントが返ってきます。消費税の引き上げで消費が大きく落ち込むことが懸念されています。その影響が直撃しかねない中小店での買い物や飲食を促すことで、増税時のショックを和らげる狙いがあります。

経産省は20日、ポイント還元制度向けに、専用のスマートフォンアプリの配信を始めたと発表しました。そのアプリを早速利用してみました。近くの対象店が地図上で表示されます。店をクリックすると還元率が2%か5%なのかを知ることができ、使える決済手段は一覧になっていました。自宅近くの花屋や、古本屋など、キャッシュレスを導入しているとは思っていなかったところも対象店で驚きました。

ポイント還元対象店舗検索アプリ。筆者がスクリーンショットしたもの。

導入するお店に話を聞きたい。キャッシュレス決済を導入する自宅近くの古本屋「おへそ書房」(東京都武蔵野市)で話を聞いてきました。店主の小宮健太郎さん(43)は導入の理由について、「お客さんが買いやすいかなと思って。うちはそこそこ高いものも置いているから、現金だけではない方がいいと思った」と話してくれました。

おへそ書房を開く前、駅ナカの書店で働いていたことがあるそうで、そこではスイカやクレジットなどを使う人が多く、その経験を生かしているとも言っていました。導入にあたっては、審査があったものの、iPadと決済端末がタダで支給されたそうです。導入しない理由がなかったと言っていました。話をしながら、段ボールからポイント還元制度のポスターやシールなどを出してくれました。

このポスターが貼ってあるお店はポイント還元制度の対象店舗。小宮さんから2枚いただいて、9月22日に自宅で筆者撮影。

「これから勉強しなきゃ」。利用できる決済方法など、詳しい内容を10月1日までに勉強すると言っていました。ポイント還元制度に向けて中小店は準備が着実に進んでいることが分かりました。小宮さんの書店はJR武蔵境駅から徒歩5分ほどのところに位置しています。駅に近いお店は導入するところが多いのではないかなと思いました。

ポイント還元に参加する中小店舗は10月1日時点で50万店近くになる見通しです。消費者も準備をしなければなりません。キャッシュレス決済にはいろいろな種類があります。私は今日、LINEPayを試してみました。いつも使っているゆうちょ銀行の口座に紐づけして、ものの数分で本人確認が済み、口座から1000円チャージしてコンビニでコーヒーを買いました。スマートフォンの画面を見せるだけで、決済をすることができ、いちいちお財布を出し、小銭を数える手間もなくスムーズにお会計を済ませることができました。キャッシュレス決済には、クレジットカード、デビットカード、電子マネー、QRコード、モバイル決済など、たくさんの種類があります。本格スタートまでに新しい決済を試してみるのもいいかもしれません。

参考記事

22日付 日本経済新聞朝刊(東京13版)3面(総合2)カウントダウン消費税10% ポイントで穴埋め

22日付 読売新聞朝刊(東京12版)10面(投書)外国人材@日本 キャッシュレス もっと普及