就活生は言いたい

2020卒の就職活動も佳境から終盤に移りつつあります。一部の優秀な学生は3年のうちに内定を得ています。6月を前にして就活を終えた人もいます。ただ、多くの4年生は、今も「どうして自分はだめだったのか」を考え、自分なりに工夫しています。自分のエントリーシートを見直し、会社ごとに想定問答を考えて面接に臨んでいるのです。

筆者もたった1回の一次面接に対し62問も想定問答を考えて臨むこともありました。文字数で7351字、印刷すると10枚にもなります。それを面接までに頭に叩き込みます。それでも叶わなかった時は落ち込みました。

他にも、その会社に内定した先輩に連絡してアドバイスをもらう、大学のゼミの先生に模擬面談をしてもらう。そんな努力を就活生は重ねています。面接ではそこまで見えないかもしれませんが、そんな努力をして、受験していることを少しでも知って欲しいです。

今日の朝刊に就活生の思いを踏みにじるようなニュースが載っていました。日本旅行が4万3000人の就活生に対し、「内々定」のメールを誤って送ったというのです。実際の内定者は「123人」。最終面接を受けて不合格の人にも届きましたが、後におわびメールが送られてそれきりです。

日本旅行の選考を受けて、このメールが来たにも拘わらず「不採用です」となった人の思いを考えると、許せない気持ちになります。何が問題だったのかきっちり洗い出し、二度と同じ間違いを繰り返さないようにして欲しいです。被害の受けた就活生と同い年の学生としてそう思います。

筆者は、4年になってから、「内定が一番欲しい」と口癖のように言っていました。友人は3年のうちに内定を得ていたため、焦燥の日々を過ごしていたのです。グループ面接で、内定先があると答える学生に会うたびに苛立ちは募ります。どの就活生にとっても欲しいのは「内定」でしょう。

マイナビの調査によると、6月15日の時点で72%の学生が内定を得ているようです。被害を受けたどの学生も6月末まで就活を続けてきました。心は疲れ切っています。就職活動は学生の頑張りが報われるものであって欲しいと思います。

参考記事: 今日付 読売新聞朝刊 (13版) 34面 (社会)「4万人に「内々定」」