外国人、受け入れていますか?

日本に住む外国人が増えていることは、どの地域の人でも実感していることでしょう。法務省の統計によると、2018年末時点の在留外国人数は273万人。グローバル化の潮流に乗って、わずか5年間で30%以上も伸びました。4月に改正出入国管理法が施行されたことで、今後も加速度的に増加していく見込みです。

一方で、日本社会での受け入れ環境の整備が追いついていない現状があります。言葉の壁や慣習の違いに苦戦することはある程度避けられませんが、「外国人であること」を理由に社会から受け入れを拒まれる事態も時に生じているのです。

今日の日経新聞朝刊の社会面には、妊娠中にトラブルに直面したベトナム人女性が紹介されていました。経済連携協定(EPA)で介護士として来日したのち、日本人と結婚。妊娠したものの、出産までの間を支えてくれる人が夫以外に誰もおらず、精神的にも体力的にも辛い思いをしたそうです。さらに、クリニックに入院し、分娩しようとしたものの、外国人であることを理由にその予約を断られました。

この女性は夫が日本人であることで最終的に入院できたとのことですが、国籍や言葉の問題を理由にサービスの利用を断られる例は少なくありません。筆者の留学生の友人も集合住宅への入居を断られた体験があります。また、働く現場では仕事こそ見つかっても、時間外労働を強制され、さらには最低賃金を下回る時給で酷使されたというニュースもしばしば目にします。

日本には「おもてなし」の心があると誇っていますが、在留外国人への対応はまだまだ「おもてなし」には程遠いのではないでしょうか。言葉が通じなくても、出来る限り意思を通じ合う努力をすること、そして相手を尊重し、信頼関係を築くことが大事だと思います。

同時に、公的サービスにおける幅広い受け入れ態勢の整備も必要です。法務省のデータによると、東南アジア出身の割合が急増しており、中でもベトナム人は過去5年間で4.5倍の33万人に激増しています。英語での対応を整えることはもちろん、それ以外の言語でも説明できる仕組みを用意できると良いなと思いました。通訳・翻訳機器の開発だけでなく、様々な分野で外国語を使える専門職など、これからの国際化を支える人材を増やし、活用していくことも必要でしょう。

 

誰もが安心して生活を営むことのできる共生社会の実現のために、まだまだ私たちは努力が求められています。

 

 

参考記事:

27日付 日本経済新聞朝刊(大阪14版)31面「ドキュメント日本 外国人の出産 壁高く」

参考サイト:

法務省 「平成30年末現在における在留外国人数について」