児童虐待、改めて思う関心度の高さ

今日、千葉地方裁判所に行ってきました。千葉県野田市で1月、小学4年の少女が虐待で死亡した事件で、傷害ほう助罪に問われた母親の初公判を傍聴したいと思ったからです。少女に対し、食事を与えないなど、夫の虐待に手を貸した疑いがもたれています。結論から先に言うと、落選し、この目でみることは叶いませんでした。ですが、初めて傍聴券に並んで気づいたことは少なくありません。

整理券の配布は午前11時から11時20分までの20分間。筆者は11時15分ごろに到着しました。すぐに、最後尾にいる職員に並んでいる人数を聞いてみましたが、「正確にはわからないけど300人はゆうには越えているのでは」とのことです。

10分程並んだのち、整理券をもらうと1434番。周りを見渡すと、報道機関の方はもちろん、一般人も多くいました。女性がとても多かった印象です。私のような若い世代から70代くらいと幅広く、親子連れも見受けられました。父親の暴走を止められなかった母親の肉声を聞きたいと思う女性が大勢いる証拠だと思います。この事件に多くの人が関心を持っていることが、救われなかった少女にも届いてほしい。そう思わずにはいられません。

▲整理券を貰った時、同時に手渡された紙。 16日筆者撮影。

当選発表はあまりの人数の多さで予定より約10分遅れの11時42分頃。70人が傍聴を許されました。当選番号の最後が1443番だったのを見ると、倍率は6倍から7倍といったところでしょうか。一斉に番号が張り出され、何だか受験の合格発表を思い出しました。初めて並んだ私などには当たることは望めないような高倍率でした。

今日の朝日新聞朝刊に「娘に性的暴行 児相から帰宅後も」という記事がありました。当時中学生だった娘に性的暴行を加えた父親に対し、懲役6年の判決が下ったことが伝えられていました。野田市の事件でも父親の性的虐待があったと思われています。性的虐待は子どもの体と心を深く傷つけたことでしょう。なぜ、父親が自分の子に対し、そういう振る舞いができるのか理解に苦しみます。

子どもが犠牲になる事件は許せない。裁判所まで足を運んだことで、事実を知りたい、と思う人が多くいることを知り、社会の関心度の高さを改めて感じることができました。児童虐待に対する「NO」を社会が毅然として突きつけるためにも、親が子の命を奪う事件に関心を持ち続けることが欠かせません。

参考記事:
今日付 朝日新聞朝刊 (14版) 26面 (社会)「娘に性的虐待 児相から帰宅後も」
15日付 各紙 千葉県野田市小4死亡事故 関連記事