大戸屋ホールディングスが「大戸屋ごはん処」を12日に全店休業することを発表しました。
原因はアルバイトが店内で不適切な動画を撮影しSNSに投稿したことです。12日は店内清掃と従業員教育に充てるとしています。
飲食店などで1月下旬から不適切動画の投稿が相次いでいます。アルバイトの不適切な行動が問題になるのは最近だけの話ではありません。2013年にはコンビニで従業員がアイスクリーム用冷蔵庫内で寝そべった写真を投稿し社会問題となりました。その後も「悪ふざけ」の投稿は相次ぎました。
ふざけて動画や写真を撮っている間は楽しいかもしれません。投稿をすると「すごいこと」をやってのけたような感覚になり、高揚した気持ちになるかもしれません。
しかし、一度SNSに投稿されたものは全世界に広がり簡単には消せません。
投稿した人はその場の「ノリ」かもしれませんが、その一瞬の過ちが店舗の倒産や会社全体の損害に繋がります。大戸屋も2019年3月期の連結業績予想の下方修正も発表しました。営業利益は従来より1憶円少ない前期比26%減を見込んでいます。
この問題は、もちろん従業員それぞれのモラルの問題でもあります。しかし、人不足も大きく影響しているのではないかと考えます。
単発のアルバイト募集には飲食店のホールの募集もあります。単発というのは継続して特定の店舗で働くのではなく、1日限りで仕事に従事する方法です。その場合、しっかりとした教育を経ずに接客を担うことになります。私も単発で働いたことがありますが、どこの店も人手不足に悩み、やむを得ず単発バイトを利用している印象でした。
不適切な行為を防ぐものは「責任感」だと思います。教育担当を置き、教え込めば無責任な行動を抑制できるはずです。しかし人手不足の状態だと、教育もままなりません。
収益の減少を見込んででも、店舗の営業時間短縮や回転を下げて従業員の教育に日ごろから時間を割くことも考えなければならないと思います。
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5日付 日本経済新聞朝刊(大阪13版)19面(企業3)「大戸屋 12日に全店休業」
同日付 読売新聞朝刊(大阪13版)38面(社会)「大戸屋12日一斉休業」
同日付 朝日新聞朝刊(大阪13版)7面(経済)「大戸屋12日に前350店休業」