情報は漏れている

「情報漏洩」は、インターネットを利用する際に必ずといっていいほど頭をよぎる言葉だと思います。サイトの登録、通販の利用などで個人情報を入力していて、ふと手を止めた経験はありませんか。こんなに大っぴらに自分の情報を公開していいのだろうか、と。また、次から次へと来る迷惑メールに疑問を抱いたことはありませんか。しかし、最近インターネットを使い慣れ、また周りも当然のように利用していることから、情報が漏れているのは自分だけじゃないと、変な安堵感をも覚えたりします。
さて、今回思わぬところに危険が潜んでいるということが明らかになりました。それは、無料翻訳サイトです。みなさんも一度は利用したことがあると思います。翻訳結果の精度には少々の不安が残るものの、一瞬で他の言語に訳してくれる簡単さと便利さには驚きです。そんな中、社員が無料翻訳サイトを使いメール内容を翻訳したところ、極秘の情報がネット上で公開されてしまったという問題がありました。
流出内容を確認したところ、メガバンクの顧客情報、中央省庁や自動車メーカーの業務メールなど、約30件にも及んだといいます。このサイトは東南アジアなどの約60言語に対応していて企業関係者らが利用していたとみられています。
確かに、読もうにも見当さえつかない言語をどうやって理解するのかと考えたら、翻訳サイトに頼ってしまいたくなるのも当然のような気がします。しかし、言葉の通じない人とも交流したいという私たちの心理を逆手に取り、手っ取り早い金儲けにつなげようとするサイト運営者もいるということを頭に置いておく必要がありそうです。
個人の情報が瞬く間に広がるインターネット。「登録者数○○万人突破」や「登録者限定特典」などの言葉に踊らされて、大切な情報を入力する前に一度、考えてみる必要がありそうですね。何を信じて、何を疑うのかといった線引きも難しいとは思いますが。まさか漏れるわけがないだろうと思っているようなところでも情報が流出しているケースは、この一件からもわかるように、他にもあるのかもしれません。
読売新聞が、「気軽に使える無料翻訳サイトの利用方法について今後影響が広がりそうだ」と結論付けているように、情報漏れへの危機意識を個々人が持ってパソコンに向き合わなければいけないのでしょうね。
読売新聞2月20日付 1面 「ネット翻訳でメール流出」

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