時代を映す「プリキュア」

日曜日の朝、幼いころ皆さんは何を見ていましたか。

日曜日の朝のテレビ朝日系列では、戦隊ものや仮面ライダー、アニメなどの子供向け番組が連続して放送されています。幼いころにこの時間帯に何を見ていたかで年代が分かることもあります。

私は兄弟と一緒に戦隊ものと仮面ライダーを見ていました。特に戦隊ものは熱心に見ていて、「ハリケンジャー」などは懐かしく感じます。私と同世代の女子が見ていたのは「おジャ魔女どれみ」でした。

小学校入学後の2004年、プリキュアシリーズの1作目、「ふたりはプリキュア」の放送が始まりました。

昨年、14年の長い歴史の中で初めて「男子のプリキュア」が登場したと話題になりました。

これまでプリキュアはすべて女子でした。社会的に性の多様性への認識が進んでいるのを反映させた、旧来のジェンダー規範に対し挑戦的なキャラクターです。

「僕は自分のしたい格好をする。自分の心に制約をかける。それこそ時間、人生の無駄。」

この「若宮アンリ」という少年が作中のファッションショーの舞台に純白のドレスを着て参加した際、「男らしく」ないという批判に対して発した言葉です。

子供向けの枠を超えた、メッセージ性の強い言葉です。

多様化の進む中で「男らしさ」「女らしさ」に縛られず、「自分らしく」活躍するキャラクターはアニメを見る子供たちの心に残ることでしょう。また、子供向けアニメは親も一緒に見ていることが少なくないため、大人たちの心にも残ります。

性別の枠を超えて活躍するキャラクターに接した子供たちが大人になるころには、多様性により寛容な社会ができていると良いですね。

参考記事:
7日付 日本経済新聞朝刊(大阪12版)19面(女性)「性差・世代超え 時代映す」