星に願いを 祈る乙女の心は

流れ星に願い事をすると叶う

そんなロマンチックな言い伝えに夢を見る人は少なくないはず。三大流星群の1つ「ふたご座流星群」が話題に上っています。ピークは13日と14日の夜で、1時間あたり40個以上の流れ星が見える可能性があるようです。

星に祈るといえば、身近なものでは星占いがあります。我が家では、朝のテレビの情報番組で星座の順位に一喜一憂するのが日課です。年末には、翌年の運勢を占う特集が女性誌の目玉になるといいます。

占星術研究家で人気占師の鏡リュウジ氏は、占いが女性の心をつかむ理由について次のように述べています。

「明確な答えはない。1970年代からan・anやnon・noなどが本格的に始め、今も影響している」

「男性の価値観は、(出世など)割と画一的だが、女性の方が多様だからではないか」

女性は多様な生き方を探し求める傾向にあると言います。

一方、女性心理について詳しい産科や婦人科、小児科のあおばウィメンズホスピタル理事長の阿部孝彦氏は、次のように話しています。

「自分で答えを出していても他人に賛同して欲しいとの気持ちが強い」

「特に(占師のような)普段の自分を知らない人から背中を押してほしい」

そんな視点から人気を博している商品が、日本ロレアルが発売する口紅「ルージュ ヴォリュプテ シャイン」です。色は31種類もあり、それぞれに占いのようなキャッチコピーがついています。「プロポーズさせるミルキーコーラル」「告らせ上手のピーチコーラル」「秘密のキスへのフェロモンピンク」など。思わず赤面してしまいそうなラインナップに、釘付けになりました。

同社の野山佳代子氏によれば、「色は女性が自分にスイッチを入れる願掛けで、心の薬」。女性は自分がどういう人間かに興味があり、占いによってカテゴライズしてほしいと思っているそうです。

多くのメーカーから様々な種類の口紅が売られており、何を買うか迷う客は多いはず。叶えたい願いに合わせて色を決めれば、悩むことなく買い物を楽しむことができます。

女性が占いに惹かれる理由は、「多様性」「背中押し」「カテゴライズ」などにあるようです。

女性である筆者は、占いや迷信を信じていません。ですが、不安なときに勇気を出すきっかけとして、選択に迷ったときの指標として活用しています。たとえ根拠はなくても、心の支えになる存在は大切です。

今夜の天気は、日本海側を中心として全国的に「晴れ」。東京の自宅から見えるかわかりませんが、夜空を流れる星々に祈りを込めたいと思います。願いが叶いますように。

 

参考:

14日付 日本経済新聞朝刊(東京13版)企業(14面)「占い特集、なぜ女心つかむ」

13日付 朝日新聞デジタル(社会)「ふたご座流星群1時間40個超も コツはぼーっと15分」