ナウい駅名は定着するのか

山手線・京浜東北線の新しい駅名は「高輪ゲートウェイ」。

このニュースを受け、インターネット上では驚きと疑問の声が飛び交っています。その理由は今年6月に行われた駅名公募で約6万4千件あった応募のうち「高輪ゲートウェイ」は36件しかなく、順位にすると130位にもかかわらず、選ばれてしまったことでしょう。

選定理由について、JR東日本によると

この地域は、古来より街道が通じ江戸の玄関口として賑わいをみせた地であり、明治時代には地域をつなぐ鉄道が開通した由緒あるエリアという歴史的背景を持っています。 新しい街は、世界中から先進的な企業と人材が集う国際交流拠点の形成を目指しており、新駅はこの地域の歴史を受け継ぎ、今後も交流拠点としての機能を担うことになります。新しい駅が、過去と未来、日本と世界、そして多くの人々をつなぐ結節点として、街全体の発展に寄与するよう選定しました。

 

とのこと。山手線初のカタカナ駅名には「未来」に向かっていく意味が込められていたのです。

ただし、この駅名が本当に浸透するかどうかは、一度検討してみるべきです。筆者の通う早稲田大学の近くまで通っている「都電荒川線」。最近、「東京さくらトラム」という愛称がついているのをご存知でしょうか。昨年3月、東京都は「東京○○トラム」の○○に入る言葉を、さくらのほかにローズ、レトロといった8つの候補の中からどれが合うか募集をかけ、最も得票の多かった「さくら」を採用しました。しかし、筆者の周りで「東京さくらトラム」という人は一人もいません。

今回の「高輪ゲートウェイ駅」も、しっかりと駅名の定着に取り組まなければ、予定地から300m程にある「泉岳寺駅」や仮称として使われていた「品川新駅」、ゲートウェイまで言わずに「高輪駅」と呼ばれてしまう可能性もあります。

といっても、山手線としては1971年の西日暮里以来、京浜東北線としては2000年のさいたま新都心駅以来の新駅です。これからどんな街が誕生していくのか楽しみです。

 

参考記事:

5日付 各紙朝刊 山手線新駅名は「高輪ゲートウェイ」関連記事