国際社会、「できない」では通用しない?

今日取り上げるのは、自衛隊による国際貢献のあり方です。中谷防衛相は19日、アフリカ・南スーダンを訪れ、国際平和維持活動(PKO)にあたっている自衛隊の活動現場を視察しました。その中で、現在の安全保障法制では限界に達していると強調しました。政府は26日召集の通常国会に向けて活発に行動しています。

政府が考える法整備では、事態が発生してから特別措置法を作ってきた従来のやり方や、PKO法の制約を見直そうとしています。

中谷氏は、「『できる能力はある。しかし、日本はできないんです』ということで本当にいのか」と記者団に問題を投げかけました。

このことについて、次の3点を挙げたいと思います。

1、中谷氏の南スーダン訪問の背景には、PKO法について、特に国際協力の点に重点を置くイメージ戦略がある。安全な場所での国際貢献がまだ不十分だということをうまく見せる戦略で、国会論戦では強い材料になりそうだ。

2、日本の国際貢献はどのくらい不十分なのか。国際社会(特に米国を始めとする国連)に対するイメージを気にしている感がある。なかでも中谷氏の「できない、でいいのか」という発言は、米国を強く意識している印象を受けた。

3、テロの標的にならないのか。米国で制定された「愛国者法」は2001年の同時多発テロ後に制定されたが、米捜査当局で拡大解釈されてしまった。日本政府が考える新法も同様の懸念が拭えないだけに、現行の特別措置法の方が安全なのではないか。

政府は、安全保障法制の関連法案を通常国会に提出する構えです。日本は国際社会でどのように対応するべきでしょうか。また、今回の中谷防衛相の訪問は、みなさんの目にどのように映りましたか。

 

【参考にした記事】

20日付 読売新聞朝刊(13版)3面「自衛隊 広がる国際貢献」

20日付 朝日新聞朝刊(13版)3面「対テロ 国際的使命を強調」