ありがとう、「偽造品」

 

 「北海道産昆布」、「宇治抹茶」この言葉を耳にしてどう感じますか。「ブランド」という言葉を思い浮かべた方はいらっしゃいませんか。食品や電化製品、衣類など様々な分野で品質の証明となるブランド。今回は海外で日本ブランドがどう扱われているかを見ていこうと思います。

農林水産省の2009年から2013年の調査で、台湾や中国を中心に日本産と偽っていたり、商標権の侵害が疑われたりする商品が出回っていることが分かりました。09年に同省が偽装品の監視団体として設立した農林水産知的財産保護コンソーシアムの発表では、違法性が疑われるものは、台湾25件、中国15件、香港3件など。指摘されたケースは延べ90件に及びます。冒頭で挙げたものは、台湾で見つかりました。消費者感覚では、「ちょっと少ないな」と感じている方も多いのではないでしょうか。街の市場だけでなく、人目に付きやすいデパートなど問題となりそうな製品を扱うことの少ない売場も調査対象に入っているので、控えめの数字になったのではないかと考えられます。現地当局の規制の厳格化も功を奏しているようです。

本来ならここで、「皆さんは偽造品を撲滅するためにどうすればいいと思いますか」と書くところなのですが、筆者は偽造品に対して、「ありがたい」と感じています。もちろん偽物で他者の利益を害することは言語道断です。しかし、日本の家電メーカーの国際競争力の低下が指摘されて久しくなります。少し思い返してみると、原発事故による食品の放射能汚染のおそれがあるとして、日本の一部の地域の食品の輸入を停止していた国もありました。 日本ブランドにはマイナスの出来事があったにも関わらず、こうして「日本ブランド=売れる」と世界の人々がまだ感じてくれていると思うと少し嬉しくなります。偽装していた台湾の食品工場の部長が「イメージが良いからつけた」と語っているように、メイドインジャパンの評価は我々が思っているほど落ちていないのではないかなとも感じています。

日本製品は、長いあいだの関係者の努力により、周囲の人間がコピーしてでも利益を上げたいと思うレベルに達し、多くの信頼を得られるようになりました。「偽造こそ信頼の証」といっても過言ではないのではないでしょうか。この文も勝手にコピペしたいと思われるくらいになるのがいいのかもしれませんね。

参考記事:本日付讀賣新聞(東京14版)39面(社会)「日本産偽装 アジアで横行」より