再び、夢を乗せて

空の声が聞きたくて  風の声に耳すませ

海の声が知りたくて  君の声を探してる

携帯電話会社のCMで話題となった「浦島太郎」。この日本昔話を由来として、命名された小惑星があります。小惑星1999 JU3、「リュウグウ」。

浦島太郎が玉手箱を持ち帰ることが、「はやぶさ2」が小惑星のサンプルを入れたカプセルを地球に届けることと重なることから名付けられました。国際天文学連合の定めたルールには、「神話由来の名称が望ましい」との規定があるそうです。

「リュウグウ」は、地球と火星の間を公転する、直径約900メートルの小惑星です。数ある小惑星の中で、なぜ目的地に選ばれたのが疑問に思い、JAXAのHP等で調べてみました。炭素質のC型の小惑星であることが、大きな要因だそうです。太陽系が生まれた約46億年前の有機物が残されていると考えられており、生命を構成する有機物がどこでできたのかを紐解く狙いがあります。C型小惑星のうち、地球の近くにあるものは非常に少数。ここ10年のうちに行ける小惑星は2~3個ほどといわれており、そのうちの一つが選ばれました。

もう一つのミッションとして、天体の地球衝突問題への貢献も期待されています。小惑星の素性調査や人工クレータを作る衝突装置の実験結果から、惑星が地球に衝突するときの軌道のそらし方を解明します。また、「はやぶさ2 」の総責任者である田中均氏は「火星に人を送り込んで探検する、さらには火星に住む、第2の地球にする、ということが究極の目標だと思っている」と話し、その足掛かりが小惑星探査であると位置づけます。なかなか想像がつきませんが、このスケールの大きさこそロマンをかきたてる所以でしょう。

8年前、相次ぐトラブルに見舞われながらも、小惑星「イトカワ」の試料を持ち帰った探査機「はやぶさ」。当時中学生だった筆者も、わくわくしながら模型の展示を見にいきました。今回は、前回の反省を踏まえ、エンジンや部品が改良されています。紙面には、探査ロボットの開発に携わった中小企業の声が紹介されていました。通信機器を開発した従業員わずか三人の「アドニクス」小島要社長は、「小さな会社でも科学の発展に貢献できることは誇りだ」と話します。

3回の着陸と表面の砂の採取、そして世界初となる小惑星内部の採集が進められ、2020年に地球に帰還する予定です。開発者の思いと私たちの夢を乗せた探査機を、期待を膨らませながらしっかり見つめていきたいです。

 

参考記事 18日付 読売新聞 朝刊 13版 32面「小惑星探査ロボ 願いこめ」

朝日新聞デジタル 「究極目標「火星に移住」 はやぶさ2総責任者・国中均氏」

ハフィントンポスト 「「Ryugu」(リュウグウ)と命名 はやぶさ2が着陸する小惑星は、どんな星?(https://m.huffingtonpost.jp/2015/10/05/ryugu-hayabusa2_n_8242604.html)

JAXA はやぶさ2プロジェクト (http://www.hayabusa2.jaxa.jp)