「つらい。」あの時、SOSを受け止められたら

「つらい」「実は、大学に行ってないんだよね」

いきなり送られてきたLINE。大学1年の夏前のことでした。その友人は、ゴールデンウイーク明けから大学に来られなくなってしまいました。

私とは、違う学部に通う彼を最後に見かけたのが、2年の秋頃。それから1年近く会っていません。その時は、「学校に来ていないから、学生課に呼び出されただけ」と言っていました。彼に会うたびに、「せっかく入学したんだから、ちゃんと卒業しないと」とか連絡が来るたびに「学校行きなよ」と返していました。

でもその返し方は良くなかったのかもしれない。そう思います。

今日の朝日新聞朝刊の教育面に「友だちに『消えたい』と言われたら」という見出しの記事が掲載されていました。兵庫県加古川市教育委員会の学校支援カウンセラーを務める阪中順子さんは、「もう消えたい」と救いを求める叫びを発した人を励ますのではなく、まずは同じ言葉を繰り返すことで相手の気持ちを受け止めてほしいと言います。

例えば、「学校に来たくない」と言われたら「学校に来る気になれなかったのね」と返すというものです。

私の友人は「消えたい」とまでは言っていなかったのですが、その後も大学にまともに来ていません。行けない人に、行けというのは、間違っていたと反省しています。もしかしたら、他学部の私に声をかけることで救いを求めていたのかもしれないと今になって考えます。

今や、自殺や不登校は、中高生に限ったことではありません。大学生・社会人の割合も増えています。身近に、「心の危機」に直面している人がいる時、周りの人が優しく手を差し伸べることが大切です。気持ちを理解しようとすることで、その人の未来が変わるかもしれません。

友人が学校に来ていないことはやっぱり心配です。もしまた会う機会があったら、今までの発言を謝りたい。そして、大学にまた行けるよう少しでも気持ちに寄り添った言葉をかけられたらと思います。

参考記事:22日付 朝日新聞朝刊 13版 27面 (教育)「友だちに『消えたい』と言われたら」